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Again
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初日はそんな感じになってしまったお前の料理も、日を追うごとにどんどんと上達し、どこで食べるものよりも美味くなった。


俺はできるだけ早く帰宅し美味しい夕食を食べることが日課になった。


そして、日課といえば、風呂上がりにお前の髪を俺が乾かすことと、手を繋いで一緒のベッドに寝ることも、初日以来、日課になってしまった。


そんな時、俺に熱海での取材の仕事が入った。


言っていなかったが、俺の仕事は小さい編集社の記者をしている。


明日から2日間、お前の作った料理が食べれないのかと少し残念に思いながら、そのことを告げた。



「俺、明日から仕事で2日位帰ってこないけど、一人で大丈夫か?」



二人で住みはじめた頃に比べ、お前もしっかりとしてきたし、俺もお前を信頼していた。


しかし、それを聞いた途端、お前は急に不安そうに俺を見てきた。


置いていかれた子犬のような目で。


やはり、生活に慣れたとは言え、そう簡単に記憶喪失という不安は拭えなかったのであろう。



「はぁー…。仕方ねーな。お前も、行くか?」

「い…いいよ。別に、一人でも大丈夫…だから。」



ためらいがちに首を振りながら言った。


それが本心じゃないことくらい容易にわかった。



「遠慮しなくてもいいんだぞ。まだ一人じゃ不安だろ?」



お前はただ黙って小さく頷いた。





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