Again
13
お前は全ての屋台を見て回り、手はもう持てないという程いっぱいになっていた。
それなのに、まだ物足りないという顔をして立ち止まった。
俺はお前の荷物を半分受けとると家に向かって歩きだした。
キョトンとしていたお前も、俺の差し出された右手を見ると、残された荷物をこぼさないように全て右手に持ち替え、走ってきて俺の右手を掴んだ。
「楽しかったか?」
「うん!!」
「これも、真白が夕飯を失敗してくれたおかげだな。」
「うん!!っあ。…頑張って、作れるようになる。」
気づいたように首を左右に振った。
俺はそんなお前の頭を撫でてやりたかったが、両手がふさがっていてできなかった。
真白は荷物が持ちきれないのか、今にも落としそうだった。
いや、現に数回落としていた。
でも繋いだ手は離そうとせず、俺も離したくなかった。
それに、落とす度に家に着くまでの時間が増え、落とさないようにとゆっくり歩くことで、また増えた。
だから、もっと落とせばいいのに。
もっと手を繋いでいる時間が増えればいいのに。と思っていた。
家に着くと、はしゃぎ過ぎたのか、お前はすぐに眠ってしまった。
折角買った綿菓子も一口食べたまま、次の朝には固くなっていた。
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