眼鏡 4 俺は、驚いているあいつを無視して話し続ける。 「お前、意外とまつげ長いな…。 なんで、こんな黒縁の眼鏡かけてんの?? 流行ってるけど、お前がかけてもオシャレに見えないから、貸してみっ。」 俺は、眼鏡をなかば強引にとると、自分にかけた。 「ほら、俺の方がかっこいい。 それに、お前も眼鏡ない方がかっこいいよ。」 中指と人差し指で眼鏡のフレームをクイッとあげながら、あいつを見る。 「…はぁー。 どれだけ、俺の心を乱せば気がすむんだ。」 あいつは鼻と口を手で覆うように顔を隠した。 それから、身を乗り出すようにして顔が近づいてきたと思ったら、 唇が重なった。 最初は、それが何か分からなかった。 それくらい軽いキス ただ、それだけで顔に熱が広がるのが分かる。 「なっ…んで??」 「付き合えって言ったろ…。」 「だって…、それは、冗談なんだろ…。」 「冗談なんかじゃない。 俺は、お前が好きだ。瑛斗…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |