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眼鏡

俺は、驚いているあいつを無視して話し続ける。

「お前、意外とまつげ長いな…。
なんで、こんな黒縁の眼鏡かけてんの??
流行ってるけど、お前がかけてもオシャレに見えないから、貸してみっ。」

俺は、眼鏡をなかば強引にとると、自分にかけた。

「ほら、俺の方がかっこいい。
それに、お前も眼鏡ない方がかっこいいよ。」

中指と人差し指で眼鏡のフレームをクイッとあげながら、あいつを見る。

「…はぁー。
どれだけ、俺の心を乱せば気がすむんだ。」

あいつは鼻と口を手で覆うように顔を隠した。

それから、身を乗り出すようにして顔が近づいてきたと思ったら、

唇が重なった。

最初は、それが何か分からなかった。

それくらい軽いキス

ただ、それだけで顔に熱が広がるのが分かる。

「なっ…んで??」

「付き合えって言ったろ…。」

「だって…、それは、冗談なんだろ…。」

「冗談なんかじゃない。
俺は、お前が好きだ。瑛斗…」


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