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スイーツ戦争/丸井(リク)

○めがびっち番外編○






「桜、鞄からいい匂いするな」


げ、なんだコイツ。

休み時間、突然隣の席から丸井が声をかけてきた。まぁ確かに鞄の中にはマフィンが入ってるけど…普通匂う?


「おい、早く出せよぃ」


ブヒブヒと鳴き声が聞こえる。
このマフィンは部活中にみんなの応援しながら食べるって決めてる。だから丸井にあげるわけにはいかない!なんて思っていると、丸井は勝手に鞄を漁り出した。


「ちょっと何すんのよ!」

「食べ物あるんだろぃ?」


丸井から鞄を奪い返すが、丸井はニヤニヤしながら手を出している。目ざとい奴だ。


「何も無いよ、しっし」

「あ、海堂」

「え!どこ!?」

「いるわけねーだろぃ」

「ああ!私の鞄!」


ちくしょうやられた…!
丸井はフッフーンと鼻歌を歌いながら私の鞄からマフィンを取り出した。


「ほー、匂いの正体はお前か」

「ムキー!返してよ!」

「嫌に決まってんだろぃ」

「あ、巨乳の子がメロンパン配ってる」

「なんだと!?」

「いるわけないでしょ」

「あ!コラ!」


丸井がよそ見をした隙にマフィンを奪い返す。おかえり可愛いマフィンちゃん。後で美味しく食べてあげるからね、ふふふ。


「言っとくけど丸井には一口もあげないからね」

「ケチ!性悪!」

「ふふん、何とでも言いなさい」


そんなにブーブー言ってるとほんとにブタになるよブタ君。
それにしても美味しそうなマフィンちゃんだな。確かにいい匂いするし。

………うふ、嫌みったらしく丸井の前でたべてやろう。


「おい、食うのかよぃ」

「うん、マフィンちゃんが誘うんだもん」


可愛くラッピングされたマフィンちゃんの包みを開ける。
その瞬間、甘い香りに包まれる。

チラッと丸井を見ると、マフィンちゃんを凝視している。
へへ、あげないもんね。


「あ」

「ん?」

「日吉がいる」

「へ?どこに!?」

「やっぱお前アホだな」


日吉くんはどこにも見あたらず、いつの間にかマフィンちゃんは丸井の手の中に。


「いただきぃ!」

「ぎゃー!マフィンちゃぁぁぁあん!」


丸井はマフィンちゃんを一口で食べてしまった。
モグモグ動く口を見ていることしかできない私。無力。


「んぐんぐ……うん、まぁまぁだな」

「…………丸井、許さん」

「こんくらいで怒んなよぃ」

「怒るわよ!いつもいつも!」

「まぁ落ちつ……う…」


丸井は突然うずくまったかと思ったら、走って教室から出て行ってしまった。


「こら丸井ー!逃げるなー!」

「なんじゃ、また喧嘩か?」

「あ、仁王!聞いてくれる?」


誰かに聞いてもらわなきゃこの怒りは治まらない。仁王の返事も聞かず、さっきあった丸井の非道な行いを訴えた。


「あーなる程、まぁ落ち着きんしゃい」

「落ち着いてられるか!」

「桜、お前さんその故・マフィンちゃんはどこで手に入れたんじゃ?」

「故・マフィンちゃんは貰ったの」

「誰に?」

「可愛いお姉さん。いつもマネージャー頑張ってるからご褒美って」

「うん、知っとる。俺とブンちゃん見とったからのぅ」

「へ?」

「それからその可愛い姉ちゃんじゃが…」


仁王によると、可愛いお姉さんの正体は、かなり過激派のテニス部ファンらしい。
もちろん私はテニス部のファンからよく思われていない。それはよく知っている。

ふむふむ、つまり故・マフィンちゃんには厭らしい仕掛けがしてあると予想できる訳で、あの感じからすると下剤……









「ブンちゃんも案外体張るのぅ」





ブタとか言ってゴメン!
(丸井ー!)(…桜…)(仁王に聞いた!ありがとう!)(…おう…)(大好きだよ!)(…サンキュ…)(明日マフィン買ってくるか(桜…)(ん?)(とりあえず男子トイレの個室まで来んなよぃ…)(テヘ)



(・∀・)8888Hitあざすー!

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あきゅろす。
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