[携帯モード] [URL送信]
恋のルーキー/越前(2009HB)




なんだコレ。
授業の用意をしようと思って、机から教科書を取り出すと、何か紙が落ちた。

“昼休み、体育館の裏で待ってます”

って…呼び出し?
俺なんか悪いことした……!?
いや、この紙から漂うピンクオーラ…。
ま、まさか告白とか……!?
……あり得る。だって俺って青学の柱になる男じゃん?リョーマ様素敵ー!とか言われてんじゃん?

いや待てよ俺、好きな人いるじゃん。
断らないと。
“ごめん、好きな人いるから”……いや、なんか普通だ。
“悪い、俺はテニスが恋人だから”………これだ!
けど好きって言われたら揺れるよな…。どんな子だろう…。
だめだ、早く来いよ昼休みー!






「オイ越前、なんでそんなに急いで食ってんだよ………越前ってば!」


堀尾を無視して昼ご飯を食べ終わって、急いで体育館へ向かった。






「あ、リョーマくん」


走ってたら声をかけられて振り向くと、そこには桜先輩がいた。
実はこの桜先輩こそが、俺が青学に入ってからずっと片思いしてる先輩。


「フフ、体育館裏行くんでしょ?」

「え?何でそれを…」

「だって紙入れたの私だし、さ、行こ」

「あ、うわ、ちょっと!」


桜先輩は早く早くと言いながら、俺の手を掴んで走り出した。

……ってぇぇえええ!?
先輩が紙を入れたってことは、先輩が書いたってことで、先輩が呼び出したってことで、つまり先輩は俺のことが…!


「桜先輩、俺も先輩の…」

「ちょっとうるさい!早く隠れて!」

「え、何スかこれ…」


あれ見て、と先輩が指差す先には我らが部長と顔を赤らめて恥ずかしそうにする女子の姿が…


「これって…」

「無謀にも手塚に告白する女の子を見守る会よ」

「俺そんな会に入った覚え無いんスけど」

「会長私、副会長リョーマくん」

「聞いてないッス」

「今言った」

「え、まさか俺ってこのために…」

「うん、そうだよ!あ、まさか告白とか思った?」

「え!いや、ぜんぜん!」

「ぷっ」


………ちくしょう。あー、なんかカルピンに会いたい。もふもふしたい。


「きゃー!告ったー!」

「痛い、痛いッス」


バシバシ叩いてくる。なんなんだよもう。


「どう思う?やっぱフるかな?」

「興味無いッス」

「けどちょうど15センチぐらいじゃない?」

「は?」

「男女の理想の身長差は15センチなんだよ」

「そうっスか…」


はぁ…俺今なにしてんだろう。手塚部長の恋路なんてどうでも…

「うわ、聞いた?」

「へ?何がッスか?」

「“悪い、俺はテニスが恋人だから”だって!」

「え」

「きもーい!超きもい!マジひくー!」


まだまだだね、俺。だって泣きそうだし。
あー、カルピンに会いたい。


「あー終わった」


どうやら部長も部長に告白した女の子もどこかへ行ったらしい。あんだけ騒いでたのによくバレなかったな。


「私とリョーマくんは同じ身長だから、あと後15センチね」

「へ?」

「あと15センチ身長が高くなったら告ってあげるよ」

「は?……え!?」

「リョーマくん私のこと好きでしょ?」

「なっ、す、すきって…」

「てことで、それまでリョーマくんの恋人はテニスね!」


うわー、リョーマくん顔真っ赤じゃん!はっはっはー!……って笑う桜先輩に似合う男になるために、牛乳飲む量増やそうと思った。




全部バレバレだね
(部長)(なんだ越前)(部長にとってテニスって何スか)(恋人だ)(……それキモいらしいッスよ)(何だと?)(桜先輩が言ってたっす)(じゃあこれからはテニスは嫁だ!)(え、いや…)(テニスは俺の嫁)(えー)



(・∀・)誕生日と全く関係ないしリョーマ君じゃないし

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!