めがびっち番外編/仁王(2009HB)
今日は俺の誕生日じゃ。モッテモテの俺は、ついうっかり女子に潰されそうになるんで、真田の許しも貰って一日中屋上じゃ。もちろん休むわけにはいかん。部活の皆には祝ってもらわんとのぅ。
「にっおー!」
ん?桜のやつやっと来たか。
ちょっと遅いぐらいじゃ。
「お誕生日おめでとー!」
「おー、ありがとさん」
「うん、じゃあねー」
「え」
おわり!
「いやいやいや、おわり!じゃなか!」
「えー」
えーじゃねぇし、詐欺師の俺もびっくりぜよ。
「普通何かあるじゃろ、私をプレゼント!みたいな」
「うわ、なんか今日の仁王きもーい!」
「今日の桜ひどーい」
「………まぁいいや、はいどーぞ」
「え、これなんじゃ」
「すいか!」
うん、そうじゃな。見りゃ分かるんじゃけど…
「いやぁ迷ったんだけどね」
「今12月ぜよ」
「分かってるよー!」
「なぜ」
「だってこの時期ってだいたいマフラーとか手袋とかじゃん?」
「確かに」
「だからすいか!」
「えー」
「なによ、わざわざ取り寄せたのにー」
「いや、うん、まぁありがとさん」
「ちゃんと持って帰ってよー」
「えー」
「えーって、捨てるの?」
「いや、捨てんけど」
まぁジャッカルにでも恵んで…
「どーせジャッカルに恵んであげようとか思ってんでしょー」
「プピプー」
「………分かった、じゃあすいか割りしよう」
「えー」
「何回えーって言うのよ!はい、ネクタイ貸して」
「どーせなら赤也かブンちゃん…」
「呼ばない、はいしゃがんで」
「むー」
「………よーし」
「うん、見えん。で?」
「で?って?」
「ほれ、なんか棒とか」
「えー、真田なら手刀で…」
「真田と一緒にしなさんな」
「大丈夫大丈夫!よし!みぎー!」
「えー、しかももう始まっとるし…」
「あー、行き過ぎ!こっちこっちー!」
「んー、どこじゃ」
「全然ちがーう!」
「こっち?」
「あー!もういいよへたくそー!」
「へたって…」
「ここ!」
ちゅっ
「………ほぅ」
「いかがですか」
「99点じゃ」
「えー!なんでー!」
「桜の顔が見えん」
結局私をプレゼント!
(あーもー仁王大好きー!)(んじゃネクタイ外してええ?)(いい……あれ?)(ん、どうしたんじゃ?)(つまり私の顔の価値って1%しかないってこと?)(え、いや、そういう意味じゃ…)(むっきー!もう知らない!)(あ、え、ちょ………えー)
(・∀・)仁王君はっぴーばーすでー!
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