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 そう言えばエースは目を見開き、呆気に取られたような顔をした。
 だろうな。それが普通の反応だろう。
「……エース。俺はお前よりもこの世界の事を知ってるかもしれない」
 ため息混じりに言えば、解せないという感じのエース。
「俺が言うことに嘘はない。それでも信じがたいこと。無理に信じろ何て言わない。聞いてくれるか?」














 俺はこことは違う異次元から来た
 その世界にはONE PIECEという大人気の漫画がある
 "一繋ぎの大秘宝"を狙う海賊たちの話だ
 主人公の名前は"モンキー・D・ルフィ"
 ゴムゴムの実の能力者
 俺は物語の最後を知らない
 だが
 途中で何が起こるかは知ってる





「夢みてえな話だな」
 驚いて言うエースの言葉はもっともだ。自分は苦笑した。
「もう一度言うが、信じろ何て言わない」
 俺だったら信じねえからな。そう、笑って付け足せばエースはまた、頭を掻いた。
「でも、嘘はついてねえんだろ? なら、信じるさ」
 エースの言葉に今度はこっちが呆気に取られる番だった。

「本気で言ってんのか? そんなことが有り得ると……」
「お前が嘘は言ってねえって言ったんだぜ?」
「でも、」
「信じるさ。ならお前はこれからどうするんだ? もちろん、異次元なら家もねえんだろ?」

 そう言ったエースに俺は現実に引き戻された。そういえばそうだ。俺には帰るところか行くとこだって決まってないんだ。
 うつ向いていれば、ぽんっと手を頭に置かれた。エースの方を向けばにかっと太陽の様に笑う奴がいた。
「なら、俺と来るか?」
「え?! いや、でも、迷惑じゃ」
「あんなーここまで来てはい、そーでしたかさいなら、は俺の性に合わねえんだよ」

 嬉しくて胸が熱くなった。
 いつもあっちでは知らないフリばかりで俺に関わらないようにするやつばかり。
 人の優しさに触れたのはこれが何年ぶりだろう。心の底からの言葉。

「だから、それで決定だ。良いな?」
「お、おう」

 エースにつられて笑えばよしっとエースは立ち上がる。俺もそれに習って立ち上がり、歩き出したエースの後ろを着いて行く。





「そういえば気になってた事があるんだけどよ」
「何だ?」
 エースが俺の方をじっと見るもんだからたじたじと返事をする。
「あいつらの情報だと、天使の実の能力者は女だろ?」
「へ?」
 間違ってねえよ。俺は女だっつーの……
「お前、男……」
「はあ。エース。よーく覚えとけ。人は見かけじゃない。中身だ。身体の、な」
 そう言ってエースの腕を掴み、手を自分自身の胸元に当てた。
「うおお?!」
「初なあ……ちなみにこの小ささはさらしだっての」

「お前、もう少し女としての自覚を持て!」
「いーじゃん、減るもんじゃねえし」
「お前な!」












あきゅろす。
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