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「やっと目が覚めたか……」
 いきなりの声に振り替えれば、そこには噂をすればの彼がいた。
「……ルフィの兄貴こと火拳のエース!」
「ご丁寧にどうも」
 ペコリと頭を下げてきた自称、弟思いで常識人のエースはにかりと笑ってきた。相変わらず思う。何で上半身裸なんだ。
「あんたが助けてくれたんだな、ありがとう」
「良いってことよ」
 隣に座り込み、火が弱くなってきたことに気付いたのか指から火を出し火力を強くした。
 また、一段と暖かくなる。というか、エースが隣にいるのがかなり暖かい。
 あれか。メラメラの実の能力か。羨ましいぞ。

「そういえば、お前、何であんなところに倒れてたんだ?」
 あんなところ?
 俺には落ちた後の記憶がない。それからは目が覚めたらここにいたんだし……
 そんな俺の様子に気付いたのだろう、川辺だ、と付け足した。
「……海賊に追われてたんだ」
「海賊に?」
 意外そうな顔をするエースに俺は大きなため息を吐いた。

「追われた理由は知らん。金でも持ってると思ったのか、まあ、俺は無一文だがな」

 炎が燃えるのをただ、じっと見ながらそう言えばエースは何かを思い出したように言った。
「お前、この後どうするんだ? 家が近いなら送るが」

 ……神様にしか送れねえ場所だよ、

 とか言える訳にもいかず。
 黙っている俺に、何かを察したのか、エースはどうするかなあと頭を掻いた。



 ――ばんっ!



 明らかに銃声だった。
 銃声がした方を向けば、そこには俺を追い回していた奴等がいた。撃った弾は外れたらしく、近くの地面に弾が落ちている。
 明らか真っ青になる俺と、さっぱり変わらないエース。
 そこにずかずか入って来た三人組。
 俺は思わず、エースの後ろに隠れる。

「……お前、紫目に黒髪だな」
 指摘された通り、指さされた俺の髪は黒で、目は紫だ。俺の母親がハーフで、母親は黒色の瞳だが、じいちゃんが紫の瞳を持っていた。それを譲り受けたらしい。
 カラコン入れてるだの、五月蝿かったが。
「そうだが、何か?」
「じゃあ、こいつが?!」
「間違いねえ! こいつが一億ベリーの賞金首だ!」
 ……?
 んーと、良く、聞こえなかったなー?

「え? 何……どういうこと」
「まさか、お前か!」

 意味が解らねえ言ってるだろこんにゃろう!
 ちゃんと説明しろ! って、銃をこっちに向けるな! まだ死
にたくねえよ!
 能力堪能してねえっつうのに!
 あ、俺、水だから死なないわ、じゃねえよ!







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