……さあ、始まった 何がだ? 貴方の喜劇が、私たちを楽しませてくれるショータイム 俺は見せ物、か そうよ、私たちを飽きさせないでね? 視界が段々明るくなる。川に落ちたのか、体が少し濡れていた。 体があちこち痛むのはきっと、打ち付けたせいだろう。少し痣ができてる。 上半身を起こし、周りを見回せば焚火があった。誰かが俺を助けてくれたのだろうか。 寒い、物凄く寒い。 何でミズミズの力を持った俺が水に凍えなくてはならないのだろうか。毒を盛って毒を制す? いやいやいや。 寒いから! 風邪引くっ…… 火の近くに寄り、体を摩る。暖かくなる気配がない。身体は震える。 元々寒いのが苦手な俺。なかなか身体は暖まってくれない。 助けてくれたのが誰だか分からない以上、ここに長居するのは得策ではないが、殺さずに助けてくれたってことは無害なのだろう。そう信じたい。 それならば、何も言わずにここを去るのは気が引ける。 それに…… 「寒い!」 豪快にくしゃみが連発する。 タオル何て置いてあるわけではない。服が置いてあるわけでもない。何かかけられるわけでもないから唯一の暖かさの源に近づく。 「あちっ!」 ……近づき過ぎた。 一歩下がってため息を吐く。こうして自分のことを良くしてくれた人物が戻ってくる気配はない。 お腹がぐうっと鳴る。あんなに食べたのにまだ、俺のお腹は食べ物を求めるようだ。贅沢なやつだ。 だが、食べ物を取りに行く気力は既になかった。 また、小さなため息を吐く。昔、母さんが言ってた気がする。ため息を吐いた分だけ幸せが逃げるよって。 そんな事言ったって、出るものは出るんだ。そう言って母さんに反論してた。 これからどうすれば良いのだろう。 俺が知っているのは、本当に一部。最初と、クロコダイルのとこと、それからエースを奪還するとこ。 エース奪還の途中までしか、原作で見たことがないから、その後どうなるか俺には分からない。だが、そこで世界が動き出すのは間違いない。 何せ、あの、白髭と赤髪が動くのだから。 それを考えるとエースと共に行動するのが得策なのだろうか…… それとも脱獄させようとするルフィと共に行動するべきなのだろうか…… また、小さなため息を吐いた。 |