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 爆発音と共に津波が襲う。海の上で待機していたエースは陸上の急な変化に目を凝らしていた。
 津波が襲い、爆発音が耳に痛い。これは間違いなく、ネオがいる町に向かって撃たれている。何故?
 ふと、海上に目を向ければ、そこには海軍の船が二隻ほど止まっていた。

「あいつ、何やってんだ!」
 エースはネオの元へ向かった。






「俺も闘うって言ってんだ!」
「ですから……」
 そう、格闘するネオの前に立ちはだかるのは腕を引いた女性だ。一生懸命宥めているが、ネオの様子は変わらない。だが、ふと何かを思ったのか、暴れるのを止め、静かになる。女性はそんなネオの急な変わりように眉を潜める。
「今、確かに俺が女王何だな?」
 ネオがそう、トーンを落とし、呟く。
「なら、そこをどいてくれ。俺は誰かが傷付くとこ何て見たくないんだよ」
 そんな言葉に女性は考える素振りを見せた。そして、女性はため息を吐く。
「分かりました。但し、私も一緒に」
 そんな女性の言葉にネオは頷き、扉を潜った。そして、叫び声、または銃声が煩いくらい響く方へと走った。
 外は戦場と化していた。あちこちに死体……なのか、分からない女性が倒れている。着いてきた女性は口に手を当てていた。

 これは全部……――おれのせい。

 心の中にそんな言葉が落ちる。
 止まりそうになる足を必死に前へ前へと出す。止まったら、二度と動かなくなりそうで恐かったから。
 銃声の聞こえる方へと近付くにつれ、銃声の正体が分かってきた。海軍とレイ達が戦っていたのだ。
 ネオは着いてきた女性が持っていた刀を奪い取り、駆け出した。思わず間に入っていた。ほぼ、ゼロ距離射撃と言ってもおかしくない距離を刀で受け止め、レイ達を何とか守る。後ろで、お姉様! という声が上がったが、聞かなかったふりをする。そして、銃を撃った張本人を睨み付ける。それは海軍の服を着た、60代ぐらいの白髪の男だった。
 ネオを訝しげに見ている。
「お前は何者だ」
「何故、海軍がこの国を襲う?」
 ネオの質問にそいつは鼻で笑った。ネオは眉を潜める。
「この国に賞金首がいる。その者を捜してる」
「賞金首何か知らない!」
 そんな声が、俺の後ろで上がった。その言葉にもそいつは笑った。ネオは恐れた。もし、こいつが俺を捜しているのだと言うのなら。
 人殺しは、おれだ。


「当たり前だ。その賞金首は正体があまりにも知られていないうえに情報が少ない。名前、顔すらも分からないのだから」
 頭が真っ白になる。

「なら、何故」
「女の身で容姿は黒髪で紫色の瞳。危険なため先に攻撃したのだ。まだ抵抗するというなら」
「……私です」
 そんな言葉に、辺りはしんと静まる。そして全員の視線はネオに向けられた。

「その賞金首は……私です」

 そう、ネオは繰り返し呟いた。










あきゅろす。
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