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 森の中、ぽっかりと空いた空間に大きな扉が一つ。目の前には二人の女性が立っていた。二人とも、武器を片手に持ち、武装をしている。
 そんな扉の前の茂みから一人の踊り子……の格好をしたネオが現れた。立っている女性二人はネオを睨むが、近くにつれてその顔は緩み、口がぽっかりと開く。
 ネオは出来るだけ、持ってきていた布で顔を覆う。その扉を潜ろうとしたが、二人の女性に止められた。
「そこの者! この国に何用?」
 固まったネオを他所に、二人はやけに近づき、顔を覗き込んでくる。顔から冷や汗がだらだらと垂れてくる。笑顔を崩さないようにするのが精一杯だ。
「あ、いや、俺……じゃなくて、私は旅の者で、さっき男が駄目だって聞いたから私が代わりに来たんだけど」
 ぽつぽつと言えば、女性二人はただ黙っている。バレたかと冷や汗がまた垂れてくる。

「だ、駄目?」
「いえ、まさか! 貴女のような方なら方なら大歓迎ですっ……」
「あの、失礼ながらお姉様とお呼びしても良いですか?!」
「へ? いや、まあ」
「ちょっずるいっ! 私も良いですか?!」
「え、はあ」
「もし、宜しかったら町をご案内しましょうか!」
「え……」
「ちょっ貴女の方がずるいじゃない!」

 収集が着かなくなっている二人にため息を吐きながら、とりあえず入れることに安堵した。




「どちらに行きたいですか、お姉様!」
「えと、取りあえず腹が減ったな」
 あの後、結局あの二人に案内される事になったネオは鳴りそうなお腹を一生懸命に引っ込めて歩いていた。二人は相変わらず良い合いをしながら着いてきた。
 周りからやたら見られているのは気のせいっていうか……着いてきている人が増えているのは気のせいではないだろう。

「お姉様、こちらのパスタがとても美味しいですわ」
「いえ! こっちのハンバーグの方が……」
「何を言うの! こっちのステーキの方が」
「いたいっ、いたいっいい!」
 あっちこっちから引っ張られ、千切れそうになりながら助けを求めるが、誰かが聞くことはない。内心、美女に囲まれている今の状況だけでお腹一杯になりそうだ。

「何をしているのです」

 そんな、甲高い凛とした声が響いた瞬間。あれほど群がっていた美女は道を開けるように広がっていく。
 真ん中にポツンと置いていかれたネオの目の前には三人の女性が立っていた。横に立つ二人は両方とも武器を片手にそれぞれ持つ。金髪の長身の女性と、青い髪の女性だ。真ん中に立つのは一気は目立つつり上がった青い目と、明るい茶色のふわふわした髪。他の人と比べても格段に美人だった。
 周りから、レイ様! と黄色い声が上がる。多分、真ん中の女性のことなのだろう。

 ネオを見るなり鼻で笑う。そして辺りを見渡した。
「何をしていたのです」
 先ほどの声。
 指差された女性は顔を赤らめる。彼女がこの国の長であった。












あきゅろす。
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