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 また、海の上。いつものようにふらふらと海を浮かんでいた。だが、今回はいつもと違っていた。
「……死ぬ、何か、お花畑が……」
「ああ……確かにあれはお花畑だ……」
 船の上に死んでるのではないかと疑うくらい、ぐったりとしている二人組がいる。
 お互いに場所は別といえど、死にそうな顔をしているのは同じだ。げっそりとした顔に鳴ることが止まない腹。いわゆる食料不足だった。
「なあ、エース。俺、このまま死ねる気がする」
「……俺も」
 もはや言葉にするのも勿体無いと言うようにエースは一言のみだ。唸るネオの目の前にぽっかりと浮かぶ島が一つ。
 目を見開き、重たい腕を上げ、目を擦ればやはり間違いなく島が一つ浮かんでる。
「おい! エース! 島だ、島!」
 今までの無気力はさて置き、叫び声を上げ、立ち上がったネオの指差す方へ目を向けるエース。先ほどのネオと同じく、目を見開き、重たい腕を上げ、目を擦ればやはり間違いなく島が一つ浮かんでる。
「島だ! 飯だ!」
「飯だ……!」
 もうダッシュしたのは言うまでもない。全速力で目の前の島へかぶりついた。

「男はお断りだ」
 そのような一言から、始まったその島の名は"エメラルドエラール"。"アマゾンリリー"に並ぶ男性禁制の女人国。美しく、強い女性が好まれるが、アマゾンリリーと違い、カームベルトに囲まれているわけではないため、男性が侵入する可能性が高いということだ。
 そのため、この国の者は男性を見たことはある者が多い。侵入した男は、ほぼここの女性たちに亡き者とされる。

「ちょっ、まじかよ」
「あなたたちはどう見ても男。殺されたくなければ即刻立ち去るがよい」
「殺されたければ別だがな」
 そう言って槍を向けられた"男"約二名はお互いに顔を見合わせ大きなため息を吐き、船に戻った。
「ったく、俺たちを殺す気かよ」
「まあ、仕方ねえけど……この状況じゃなければ」
 そう言って鳴ったお腹にため息を吐きながらさする。正直言えば二人とも限界だった。無理はない。五日ほどほとんど何も食べていないのだから。

「はあ」
「腹減った……」
 ここから離れる気力もなく、船の上で寝そべる二人。空は快晴。暢気にかもめが頭上を飛んでいく。
「そうだ!」
 いきなり立ち上がったネオに頭を打つエース。目を輝かせたネオは何かを考え付いた子供のよう。

「俺が一人で行けば良いんだ!」
「……はあ?」
 訳がわからないと言うように眉を潜めたエースを見ると、笑顔になる。
「たらたらったったー」
 そう言って懐から出した一つの袋。エースはまたまた眉を潜める。
「……何だそれ」
「まほーうのふくろー」

 そう言って取り出したのは、どこぞかの猫からのプレゼントだった。











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