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 エースは食べ終わった机を倒し、盾にする。その後ろにネオを引き寄せ、隠れた。
 机は弾を通すことはないが、これも時間的な問題だ。裏に回られれば、一発でやられるだろう。
 エースはそれを多分分かっている。だから、帽子を一度深く被り直して、笑った。
「お前はここにいろよ」
「え?!」
「能力がバレたら面倒だ」

 それだけ言うと、ニヤリと口角を釣り上げ、出ていってしまった。ネオは追いかけようとしたが、危うく撃たれそうになり、中に引っ込んだ。

 さて、どうするか。
 エースは表で掃除。と、なると、大人しく待っていた方が無難だな。能力は使わねえみたいだ。まあ、燃やしたら問題だし。
 軽く覗いて見てみれば、華麗な身のこなしで戦うエースが目に入る。圧倒的すぎて、相手に同情する。
 わざわざエースを狙うことはないだろうに。こんなチンピラみたいな集団に簡単に捕まってたら白髭の名が泣くよ……
 一応、二番隊も任されてるしね。出来るのかって突っ込みたい。まあ、ルフィでも船長ができるから、出来るか。

 そういえば……
 と、ふと足に触れてみる。ここに来て最初、海賊に追いかけられた。そのとき、足、撃たれたよな……? 何で、平気何だ?

 ――……能力は同時には使えない

 確かチェインがそんなこと、言ってたっけ。で、悪魔の実を発動させると、傷はあっという間に……
 もしかして、この悪魔の実って、傷を癒したりすることが出来るのでは?

 "死の実"。確か、この能力の呼び名。
 どこが死の実だ……
 使い方次第、そして天使の実との組み合わせで、かなり使えるじゃないか!
 だけど、これ、難点が……エースとか悪魔の実の能力者には使えないかな。水で癒すんだし……いや、天使の実と平行すれば。
 無理だった……!


 能力のことで試行錯誤している間に、エースは殆どの奴等を蹴散らしていた。
 そこら辺で伸びているのだから、こちらに流れ弾が来ることもなくなる。
 また、ひょこっと顔を覗かせる。さすがの人数だし、能力があんまり使えないから、時間はかかるか。
 この、油断がいけなかったのだ。


「火拳のエース……! 止まれ!」

 後ろから来た敵に気付くことが出来ず、屈辱的にも、人質としてエースの前に立たされた。首もとにナイフを突きつけられている。まあ、実際怖くないけど。
 正直言えば、近いし臭い。この人たち、ちゃんとお風呂に入ってんの?
 振り返ったエースは、驚きで目を見開いていた。

 驚いてるのは俺の方だ!










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