斎藤
「殺すって意識は不可欠だ。絶対に殺すって気がなきゃ人は斬れねェ。相手方だってその気でいるんだ。死にたくないなら殺せ。逃げれば切腹さ。何したって、無駄だ」
その日、斎藤は普段からは想像が付かないほど饒舌であった。
剣術を指導しながら斬るためのいろはを説く。
最もそれは新選組ならではのではあるが。
新隊士や平隊士たちが次々倒されていく。
斎藤はとにかく強かった。
剣がとか、そりゃもちろんそうだが斬れそうにないって雰囲気を持っていた。
「稽古だがらとか、関係ない。いつだって殺す気でいろ。俺は何度も、お前たちを殺しているんだからな」
どうしてその日、斎藤がそんなにも興奮していたのか。
べらべらと口から出てくる言葉が何故が言い訳じみていて、どこか自分を庇うような内容だったのか。
11月19日。
昨日に次いで、よく晴れていた。
斎藤
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