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パワーストーン物語
G
学校帰りにちょこっと寄って店内を片付けるだけで帰る頃にはいろんな物を貰って帰れるし、親父もそれには凄く喜んでくれている。
山中もたまに俺に会うついでにケーキセットを食べてってくれるし、可愛らしいヒヨコの絵のついたエプロンを着た俺の姿もだんだんと板について来た。
その頃にはすっかり俺の事を嫌う女子も少なくなってたし、山中とはもう何でも話し合える関係になっていた。
消臭リキも消臭プラグも今は教室から全部ハズされている。
肩に力が入ってた頃の俺とは随分違ってゆとりのある毎日の生活が楽しい。

そしてまた数ヶ月が経過し、もう明日が俺の大嫌いだったクリスマスイブと言う日の事だった。とっくに街はキラキラしてヒヨコの店内にもツリーやら何か赤い花のようなわっかや金ぴかの飾りがつけられてたが、去年程の違和感や嫌な感じはもうなかった。
今日は祝日だったから学校が休みで俺は朝からバイトに入っていつものように奥に籠って一生懸命働いていた。
お昼過ぎには山中がやって来たがそれもいつもと特に変わらぬ感じだった。
休憩時間にはあいつが持って来たDsライトとやらで、一緒にファイナルファンタジーと言う超有名らしい面白いゲームをして遊んだりと、楽しい時間を過ごしているところだった。
そこに突如として人生始まって以来1度も経験した事がなかった凄い出来事が俺の身に起こってしまったのだー!!!
な、な、なんとあの喜多川茉莉花が俺と山中が遊ぶ喫茶店にいきなりやって来たのだー!!
そっ、それにだっ、それだけじゃない!!
なんと彼女は俺がここにいると柳原先生から聞いて俺に会いに来るだけの為にわざわざこの喫茶ヒヨコへと足を運んで来たと言うじゃないかぁ!!!
山中は突然やって来たクラスのマドンナ、喜多川さんの姿に少し驚いたような顔をしていたが、気を利かせてか、突然ゲームをする手を止めて俺の肩をポンと叩くと顔を赤らめる喜多川さんを眩しそうに見つめながら軽く会釈をしてから、女子とは上手く喋れない俺だけを残し、とっとと逃げるように帰ってしまったのだった!


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