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パワーストーン物語
E
俺は助かったのだ…!
身体の全細胞が小躍りして喜んでるに違いない!
こんなにうまいもんをたらふく食べたのは久しぶりだった。
夢中で食ってると山中が突然背中に冷たいもんを振り掛けて来たが、また消臭リキかと思って特別気にもとめずにそこにあるだけの飯を貪り尽くした。
後に背中の液体は銀イオンスプレーだと知ったがそんなの関係ねぇ。
そして、食事を終えた俺は先生の指示で山中に連れられて運動部が合宿中に使うシャワー室へと連れてかれた。
山中の手にはコンビニ袋じゃない方のさっきの不透明な袋がある。
そしてその袋からは眩しいくらいにカラフルな色のTシャツを数枚とチェックのトランクス数枚。制服みたいな生地の黒いズボンまで出して来て、俺に「洗ったらこれに着替えろよ!」とその袋を渡してくれた。
俺はその時初めて山中が柳原先生に言われて着替えやら食い物を買いに行ってくれた事に気付いてようやく感謝の言葉を口にするのだった。

「あ、ありがとう山中君…」

「あっ?あぁ。買いに行ったのは俺だけど金は柳原のだからな」

「先生が?」

「あぁ、それに村田を保健室に運んだのも柳原だぜ!」

「先生が僕を…!?まっ、まさか男の僕を先生1人で…!?」

「いや本当だってば!あいつ見た目通りの怪力だからな!
それにお前なんて軽いじゃん!何キロあんの?41とか40とかそれぐらいか…?」

「う、うん…」

「ふ〜ん…。やっぱりな。
あっ!でもよぉ、その前にクラス委員の喜多川茉莉花がお前を必死になって運ぼうとしてくれてたんだぜ!
いいなぁお前、喜多川に真っ先に心配されてて…!
まっ、喜多川はクラス委員だから責任あんのかも知れないけど近頃のお前ちょっと臭うだろ?
お前を触ろうとする女子がまさかいるとは思わなかったけどな。
それもあの美人の喜多川茉莉花だぜ!」

「きっ、喜多川さんが僕の身体を!?」

「まぁな。後で礼ぐらい言っといた方がいいかもな。
彼女の制服にお前のかぐわしい匂いが染み付いてたりしたら可哀相だしなぁ…」

「そっ、そうかぁ…」


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