[携帯モード] [URL送信]

パワーストーン物語
G
そんな事をあれこれ悩んでいるうちにローズの心配は1人でにだんだん大きく膨らんで行ってしまいました。
食材を森の中に全部置いて来てしまったローズは作りかけの夕食を簡単に仕上げると、自分は食事も取らずに2階の自分の部屋に籠ったきり出て来なくなりました。
泣いているのでしょうか…。確かにあのミレンツェに「怪力」と言われてしまった事は、またローズの乙女心にダメージを与えていました。
でもミレンツェの命を救えた事自体は心底良かったと思えました。
「ミレンツェに怪我がなくて本当に良かった…」と。

その方法は自分にとってはいまいちではありましたが、貴重?な男性の命が失われなかったのだし、ひょっとしたらミレンツェの未来の奥さんからその事を感謝される日が来るかも知れない…。
そう思って自分で自分を慰めました。

そのうちローズは自分のベッドの中で、うとうととすると、食事も取らずにそのまま眠ってしまいました。
両親は仕方なくローズ抜きで夕食を食べようとして席につこうとしたその時、誰かが訪ねて来たのか表のチャイムが鳴りました。
母がドアを開けると外には小さな四角い物を大事そうに抱えたミレンツェがにっこり笑って立っていました!
狭い村ですからミレンツェは前々からローズの自宅の場所を知っていたのでしょうが、こうして訪ねるのは初めての事でした。
「あらまぁ!アナタは…ミレンツェさん!?
ダーニー!ミレンツェさんよ!有名な画家のミレンツェさんが家にいらっしゃったわ!!」

「おぉ!これはミレンツェ君!有名人のキミがまたこの家に何の用ですかな?」

「はい…。実はロージーさんに大事な用があって参りました」

「ロ、ロージーに!?
そ、そうでしたか!ま、まぁ入って下さい。狭い家ですがどうぞ…」

「はい、ではお言葉に甘えて上がらせて頂きます…あっ、お食事中でしたか!?
これはまた気が付きませんで、失礼致しました。
ではまたお食事が終わられる頃を見計らってもう1度伺わせて頂きます!
ロージーさんに私が大事なお話があって来た事だけを、先にお伝え頂けると助かります。」


[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!