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パワーストーン物語
C
ローズが生まれ育った所は本当に素晴らしい所でした。
ローズと両親は生まれた時からずっとこの美しい自然と山々に囲まれた小さな村で暮らして来たのです。
昔はこの村も、もっと沢山の人が住む大きな村でしたが、ローズのお祖父さんが若い頃に大流行した疫病で村の人口は半分以上失われました。
その時ローズの祖父を筆頭に男性ばかりが命を落したのです!
残された村の女性達は残った男性と結婚し、村の中で結婚相手を見つけられなかった女性達は次々と遠くの村へ嫁いだり、もっと賑やかで便利な街へと引っ越したりと、だんだんに村を離れて行きました。
その時の影響で、大きくて豊かだった村は今のような小さな村へと徐々に変化して行ったのです…。
そして今でもローズの村は女性の人口の方が圧倒的に多いのです!
現在ローズを含めた年頃の女性は17名…。
それに対してその女性達と釣り合う年齢の独身男性がたったの3人しかいなかったのです…。
そのうちの1人がついにこの間17人の中で1番美しい娘と交際をスタートさせました!
残る16人中1番売れ残る可能性が高いのは紛れもなくローズでした…。
他の村娘達全員がローズを競争相手から除外してしまっている悲しい現実も、ローズの心の中にある乙女心を深く々傷付けていました。
けれど他のどの村娘達よりもこの村が好きなローズは、何としてもここから離れたくないと思いました。
だから誰に何を言われても明るく笑って振る舞える事も出来たし、生きても来られたのです。
そして、何としてもこの村を離れない為には今はフリーである2人の男性の内どちらかと結婚し、所帯を持つしか道はありませんでした!
もしローズに僅かな可能性があるのだとしたら、残る2人の内の1人。
がっちりとした体格のビリーの方との結婚でした。
もう1人の男性、ミレンツェはビリーとは見た目も性格も全くの正反対の王子様系のルックスでしたから、ローズと釣り合う可能性は微塵もありませんでした。
ところで、ビリーは物凄く力持ちで1度だけ子供の頃にローズを軽々と持ち上げてくれた事がありました。
実はローズ自身も物凄く力持ちで子供の頃に、ふざけて村の子供達全員を担いで見せた事があったのでした。
その時お返しにと、ビリーがこんな自分を軽々と抱き上げてくれた事をローズは今でも忘れられませんでした。


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