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パワーストーン物語
C
すべての運命はあの時に変わってしまいミリアが本当に笑えなかったのはその忌まわしい記憶のせいだったのです。
そんなミリアの恋する瞳がアークを苦しめ始めていました。
それから間もなくして、ミリアはキラキラした笑顔をアークに向けながら「今夜は大切なお話があるから聞いてほしいの・・・」と言いだしました。
嫌な予感がして朝食もろくにとらずに庭をうろうろと歩いていると、その後ろからいつもと様子が違うアークを心配するかのようにラッキーも同じようにうろうろと庭中を付いてきました。
時にはアークのおしりを鼻先でつんつんしたり、彼なりの慰めを表しているのでしょう・・。
ミリアの両親はミリアが一生贅沢をして暮らしてもなくならないような財産をミリアに残しました。
ミリアは人を疑う事を知らずに育っており、財産目当てのどんな腹黒い男に騙されているのかも分かりません。
アークは他人の心の奥底に潜む悪魔の部分を見つけだして、そんな男どもからミリアを守りぬき無事に彼女の両親が望むような素晴らしい結婚相手を選べるよう導いていかなければならないのでしょうが、それはとても難しいことでした。
高まる気持ちを押さえながらアークは運命の夜を迎えました。夕食を早々に済ませ、いつものようにリビングのソファーにラッキーと共に座りながら孤独にくつろいでいると、いつもなら夕食を済ますと二階の部屋からはめったに降りて来なかったミリアがゆっくりと階段を下りアークの所にやって来ました。
ラッキーは嬉しそうにソファーから飛び起きてミリアの足元にまとわりつくように歩きました。
そしてアークの向かいのソファーにゆっくりと腰かけるとラッキーは二人がよく見える真ん中らへんの床に躯を伏せました。
二人の話を聞くつもりなのでしょうか・・・?


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あきゅろす。
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