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パワーストーン物語
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俺はとある田舎の高校にチャリ通学するジャガイモのようなにきびヅラのイモい男だ。
そしてこんな俺には、逆イケメンの俺と血が繋がっているとはとても思えない程美しい顔立ちをした弟が一人いた。
弟は昔っから病弱でそんな弟の為に家族はわざわざ弟の病気の名医がいるとか言う田舎の街に家を買い、割りに最近越して来たのだった。
そして何度も繰り返すが俺の弟は他人が見たらひっくり返る程ちょう可愛かった!
その顔の良さは俺の16年間の短い人生の中で出会った人間全部の中でもダントツの美貌で、クラス1の美人とささやかれている女子にも負けてない程のアイドル並のルックスの持ち主だったのであ〜る!
しかしこれ程の弟だ。俺としては本当の所、このちょうキュートな弟を外に連れ出して自慢しまくりたいところだったが、弟はめったに外に出られない身体で、無論小学校にもなかなか通えず部屋の中から羨ましそうに外の様子を眺めるしかないつまらない毎日を送っているのだった。
そんな弟はイケてないアニキのこれまたイケてない話を聞く事だけを楽しみにしているような様子だったが、特に目立った所も人より秀でた所もないこのへっぽこアニキに面白いネタや楽しい話を期待する方が無理と言うものだぁ!!
そんな事をなんとなく考えながら帰宅したある日、退屈な毎日をひっくり返す程不思議な出来事がこの似てない兄弟の俺達を待っていたのだった。
帰宅後いつものように2階に上がり、弟の部屋に入ると待ち兼ねた様子の弟が少し高めの可愛い声でこう言うのだった。
「お兄ちゃん、1階の方からずっと何か小さな物音がするけど…あれは何の音なのかな?」
俺はすぐに階段をかけ下りると本当にそんな音がするのか耳をすまし、微かに耳に届く物音をキャッチすると素早くキッチンの方に駆け付けた。
この部屋から確かに何か聞こえた!そう感じたからだ。
キッチンには母の姿はなく誰もいない…筈なのにその物音は間違なくここから発せられている。
それも驚いた事に下の方から聞こえて来る。
この家は新築で俺達しかまだ住んだ事はないし、床下に何かが紛れ込む事はまず考えられなかった。ネズミやもぐらの類いならこんなに大きな音を立てるだろうか!?
だんだん怖くなってきた俺はすごすごと音から後退りしたその瞬間、両肩を触る何かと背中がぶつかった!
「ぎゃああああー!!!」
「何をしてるの敏君?」
「な、なんだよ母ちゃんかよ。脅かすなよぉ…」
敏之は悲鳴を上げ情けない声を上げるなり、その場にへたりこんでしまった。


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あきゅろす。
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