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パワーストーン物語
A
「こんなに若くて年が離れてちゃ、ジェネレーションギャップもありまくりで絶対にうまく行く筈がない...親子とまでは行かないがはたから見ても随分違和感のある年の差だ。
けれど彼はあきらめなかった。
「俺は年下や同年代には興味がないんだ..」としつこく言って迫って来る。
それに琴美は少し嬉しかった。
会社には自分より遥かにハイレベルの年上美人や巨乳のベィビィフェイスちゃんなんかもいる。
このなんでも選べる環境で貧乳の琴美だけがいいと言ってくれたなんて奇跡に近い出来事である。
このまま振ってしまうにはあまりに惜しい男に女心は揺れ動いた。
「めったにない経験だし少しだけつきあってみようかなぁ...」
琴美は少しは悩んだのだが、そんな風に決めてしまうとそれからはあっさりとその年下のいけメンの誘いに乗るのだった。
「有紀の事は言えないなぁ..こっちも6つも年下の男とつきあおうとしてるんだから...」
それからの琴美には思った以上の幸せがやって来た。
とにかく彼はやさしいのだ。
そして物凄く大切に扱ってくれて毎日琴美がしてほしいと思う事は全部やってくれた。
いっしょにいる事がこれ程楽しい恋愛は琴美には初めての経験であり、毎日がまるで薔薇色に輝いて見え、琴美にしか見えない薔薇の園で沢山の天使達までが二人の幸せそうな様子に集まって来ている。
そんな事は実際にはありはしないだろうが、その頃の琴美の頭の中は本当にそんな具合で薔薇と天使が交互に回るようなまるでメルヘンのごとき夢の世界が大きく広がっていた。
友達の有紀にもその思いを伝えたかった。
有紀が10も年下の男にのめり込む気持ちもようやく少し理解出来た。
頭に思い描くのと実際経験するのとは大きく違うものだなと、琴美は今までの自分の軽い言葉を少し反省してみる気になった。
たまに有紀にはメールで近況を報告している。
幸せだと他人の話も少しは聞こうという余裕も出て来る。
琴美の幸せ溢れるメールに有紀もいつも琴美には助けて貰ってるから..と「よかったね!」と心から言ってくれた。
けれど、永遠に続くと思われた琴美の幸せはそう長くは続かなかった。
彼が仕事中にとんでもないミスを犯してそれが会社に大打撃を与えてしまったのだ!


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