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パワーストーン物語
E
エリックの手にあった時、石はひんやりと冷たい輝きに見えましたが、ローラの首につけたとたん何だかやさしい輝きに変化したような気がしました。
ローズクォーツをつけて貰ったローラは今までで一番女の子らしい顔に見えました。
部屋に戻って来たマイケルとお母さんもローラを見るなり「あら可愛い!」と、とても喜んでいます。
マイケルとエリックは再びローズのお墓に行き、ローズクォーツ色の薔薇を供えてローラの事を報告しました。
それからはまたいつもの毎日に戻りましたが、ローラの意識は依然戻らないままです。
それから一週間が過ぎた頃、突然のローラの母からの電話にエリックはローラに何かあったのか!!?と一目散に病室へとかけて行きました。
すると眠っている筈のローラの目がぱっちりと開いているではありませんか!!?
「ローラー!!!」
「おはようエリック!」言葉もちゃんと喋れます。
身体はまだ起こせないけれど、ローラはこんな事を話してくれました。
「眠ってる間に私の元に天使が来たわ!その天使はこんな事を言うのよ…あんたは少し男勝りでおてんばが過ぎるよ。今後は頼まれても二度と木登りなんてしないこと!それからこれからは嫌な事を引き受けるんなら、嫌だと思わずに笑って楽しく喜びを持って引き受けるんだよ、やりたくない時は決して引き受けるんじゃあないよ、分かったかい?分かったならこれをあげるよ!そう言って天使がくれたの!自分でしてたローズクォーツのネックレスを外して!!でも目が覚めたら本当につけていたんだもの!一体どういう事?!」
「ねぇねぇ、その天使って、おばあさんじゃなかった?」
「いいえ、美しい薔薇色の唇の若い天使だったわ!でも、なんだか喋り方はおばあさんみたいだったなぁ.…」
「ローズだ!!」
「えっ?ローズって誰?」
「ひ、み、つ」
「うわぁー、ずるいー!」
ローラはなぜかいつもよりも女の子らしい言葉で自然にエリックと話しています。
ローズクォーツの石の力がローラの中に眠っていた「女の子」を呼び覚ましたのだとエリックとマイケルは思いました。
それからのローラは変わりました。
とても素敵になったのです。
兄のズボンをはくのもやめ、木にだって天使からのいいつけを守りあれから一度も登っていません。
年頃になるとローラの周りには沢山の男性が自然に集まり始めました。
昔を知っているエリックとマイケルはいつも昔のあの姿の事を笑い、からかうのですが、あの天使がくれたローズクォーツのネックレスはいつまでもローラを輝かせ護り続けたのです。おしまい


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