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パワーストーン物語
D
すると近くを歩いて来た中年の男がその様子に気付いて「なんだ?あのおかしなばあさんの知り合いか?あのばあさんなら2.3日前にここで死んでるのがみつかったんだ!用があるなら川向こうの墓場に会いに行きな!はははは」
エリックは思わずそいつを殴りたい衝動にかられてしまいましたが、マイケルがそれをかろうじで止めて墓地へと引っ張って行くと、ローズのお墓の前にまるで二人が来るのを待っていたかのように一人の男の子が立っていて、マイケルに手紙を渡しました。
手紙には「私のような老いぼれの為にネックレスを探してくれて有り難う。もしも一粒でも見付かった時にはそれに糸を通してあんたのいい娘の首にかけてやって下さい。人生の終わりにあんたと話せてよかった。ローズより」
エリックとマイケルは手紙を読み終わると溢れる涙を手でぬぐいながらお墓の石の上にそのネックレスを一旦置くと、ローズがネックレスをくれた人の元へと行けるように祈りを捧げその足でローラのいる病院へとかけて行きました。
ローラの意識は戻らなかったのですが、ひとまず危険な状態からは脱したようで面会謝絶はとかれ、二人共初めて病室に入る事を許されました。
「ローラ…」
ローラは信じられない程真っ青な顔で、死んでいるかのように、まるで動く気配もありませんでした。
涙も枯れはてたようなローラのお母さんにエリックは「おばさん…僕達がローラにあの木に登るように頼んだんです…」
するとお母さんは一瞬少し困った表情を見せましたがすぐにその表情を戻すと「もういいのよ、エリック、マイケル、この娘が自分であんな木に登ろうとしたんだから。貴方達のせいばかりじゃありませんよ…」
「ゴメンナサイ…僕等、ローラのお見舞いにこれを首にかけてあげようと思って持ってきたのだけど、かけてあげてもいいですか?」
「まぁ!ローズクォーツのネックレスね!?綺麗だわ!!こんな高そうな物をローラに?」
「これはある人からローラに貰ったんです。この石は女の子の石だから…」
「そうね…」
ローラのお母さんはどうやらその石の持つ意味を多少は知っているようです。
「じゃあ、娘を少しの間お願いねっ!」
そう笑うとマイケルもいっしょに部屋の外へと出て行きました。
エリックがやつれたローラの顔に触れてみるととてもひんやりしているのです。
短い髪を少し撫で付けるように整えてから、首にペンダントをそっとつけてあげました。


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