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パワーストーン物語
B
もうあのブティックはるりなしでは成り立たないぐらい雑誌でも数多く取り上げられるようにもなっており、以前よりもずっと素敵なお店へと変わり始めていたからだ。
何よりも従業員が皆自然に楽しく働けるようになっていたのも、るりやるりに同調したラピスラズリがるりの中に眠っていた才能を開花させたお陰に違いなかった。 
るりの素朴な人柄に周りがいつの間にか感化されたせいかもしれない・・・。
そして今日は日曜日なのにるりはまた満員電車で揺られている。
バイトに向かう途中だった。
長距離用の列車の車内は旅行を楽しむ大勢の人いきれでさすがのるりもちょっぴり気分が悪くなってきた。
何処か外が見える場所はないかと移動してトイレの近くの連結部分のスペースを見つけ自分の大きなカバンを置きその上にどんと大きなおしりを置いた。 
普段ならそんな女子高生のような事は恥ずかしくて出来なかったが、体裁を構ってもいられなくてついそうしてみたら少し気分がおさまってきた。 
店長に貰ったミニスカートからパンツが見えそうになり、はっとしたるりは膝と膝をぴたりとくっつけて近くで同じように反対側の窓のそばに立ち外の景色を眺めていたおじさんの方に目をやった。 
おじさんはこちらをまったく見ていなかったのだがるりの視線には気がついてるりの方を振り返り二人は目があった。 
するとおじさんのネクタイピンにはあのるりのネックレスと同じラピスラズリのような青い石が輝いていてるりの持っている石より幾分か色が明るいのが気になってしまった。 「おじさんのネクタイピンについてる石はひょっとしてラピスラズリ!?」 
気がつくとしらないおじさんにるりは話しかけてしまっていた。
するとおじさんもまた話に乗ってきた。
「お嬢ちゃんのそれもそうかい?」
「はい!誕生日にバイト先の店長さんから頂いたんです。なんだか私を守ってくれているような気がして・・・」


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