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パワーストーン物語
C
「まさか百合ちゃんに彼氏が!!?
僕が勝手に一方的に好きになり、彼女の気持ちも聞かずに彼氏気取りで浮かれていただけだったのか!!?」
謙一はまたがっくりと肩を落としたが、その次の日曜にも平気で彼女は家にやって来た。
おまけにいつも忙しい父までが今回の日曜には家にいた。
テーブルの上にはごちそうが並んでいる。
母はなぜか一番お気に入りのよそ行きのワンピースを着こみ、鼻歌まで歌いながら掃除をしていた。
なんと!知らなかったのは自分だけであった。
いつもよりきちんとした服装をした僕達家族四人は百合ちゃんと彼女の父親を家に招いたのである。
すべてを悟った僕は両家の家族の前で彼女にプロポーズし、顔から火を吹かせた。
それにしてもいつの間にそんな話になっていたのだろう・・・。
ようやく僕の部屋で二人っきりとなった彼女が嬉しそうにこんな話をしてくれた。百合ちゃんの薬指のトルコ石の指輪は、父がその昔、母・百合子にプレゼントしたもので、星座は違えど偶然にも二人の百合子は同じ12月生まれだった為に母・百合子は運命を感じ、このトルコ石の指輪をあげるからどうか息子の謙一のお嫁さんになってほしいと言われたのだそうだ。
母はあろう事か、私よりも先に愛しい百合ちゃんにプロポーズし、ちゃっかりOKの返事まで貰っていたと言うのである!!
お陰で僕は四十代になるまでにはなんとかめでたく理想の女性との結婚を実現させました。
そして二人の間には程なくハネムーンベイビーが授かりました。
可愛い女の子です。
それもいて座とやぎ座の間の微妙な日にち生まれの・・・。
12月生まれと言う事はまたもや誕生石はトルコ石となります。
それから結婚後、私は妻の百合ちゃんにトルコ石の指輪を買ってあげようと街の宝石店を訪れた際に、店員さんからとっても素敵な話を聞かせて貰いました。
「トルコ石は人から人へと贈られることで石のパワーが増しますから、幸せにしたい人がいるならこの石はプレゼントには最適なんですよ!奥様が12月生まれならよりいっそう素晴らしい贈り物となりますね!」と・・。
父が母に贈ったトルコ石の指輪は妻に贈られ、いずれ娘が嫁ぐ日には・・・
今は考えたくもないけれど娘の指に輝くのです。
生まれたばかりの娘の幸せを祈り、可愛らしいトルコ石の指輪を贈る事にしましょうか・・・。
愛妻の胸ですやすやと眠る私だけの天使・みゆりちゃんへ・・・
新米パパより


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