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パワーストーン物語
F
今宵は満月・・・
そして沢山の星達が競うように輝いています。
必死にミリアが大人になる日の事だけを思って頑張ってきたというのにいざその日がやって来ると途端に慌ててラッキーにさえ心配をかけてしまった自分はなんておろかだったのだろう・・。
一晩森で過ごしてみるとミリア以上にまだまだこの森で遊んでいた頃と変わらない程大人になりきれていなかった自分の姿が見えてくるのでした。
帰ろう・・・ミリアとラッキーの待つあの家へ・・・俺の帰る場所はあそこしかなかったのだから・・・。
車を走らせ屋敷の前まで来ると、ミリアがアークの車のエンジン音に気付き家の中から飛び出して来るではありませんか!!?
そのミリアをもの凄いスピードで追い抜くと大好きなアークの胸に先に飛び込んで行ったのはラッキーでした!!
「ラッキーったら私より先にアークに抱きついたりして、ずるいわー!!」そう言いながらとびきりの笑顔でラッキーをサンドウィッチにミリアは大好きな人の胸に飛び込みました。ラッキーはアークのほっぺをぺろぺろと舐めたりキスをしたりそれはもう激しい程に気持ちをぶつけてきます。
「おい〜!こいつ俺の事をいかした牝犬と勘違いしてるんじゃないのかぁ?まいったなぁ〜・・・」するとミリアがラッキーに負けじとアークの唇に自分の唇を押しつけて来るではありませんか!!?
されるがままのアークはだっこするには少し大きなラッキーを抱いたままあっけにとられているのです。
「私が嫁ぐのは貴方の所と幼い頃から決めていたのに貴方が早合点してしまうものだから、私・・・心配しました!!
私と貴方とラッキーと・・
お父様の残してくれたこの家とお母様の大好きなダルメシアンのラッキーといつまでもいっしょにここで幸せに暮らして行きたいのです!!
アークがこんな私でもいいと言ってくれるなら・・ですけど・・」
とびっきりの幸せが二人と一匹にやって来ました。
夢にまでみた美しくやさしい妻と可愛いペットのいる家庭が我が手の中に・・。
アークはミリアにもう一度ダルメシアンジャスパーのブレスレットをつけて貰いながら天に向かって叫びました。
「おとうさん!おかあさん!お嬢さんを俺に下さい!!」
おしまい 


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