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パワーストーン物語
A
そして時は過ぎ、成長した梢はOLとなり妹の公子は近所の高校生(当時は女学生と言う)となっていました。その頃になると日本も随分と落ち着きを取り戻し、すべての国民も安定した生活をおくり戦争で家や家族を失っても飢え死にするような人達は少なくなっていました。
そんな頃でした。
姉こずえの右手の薬指に一際目立つ紫水晶に公子が気付いたのは!!?
「お姉ちゃんこれどうしたの!?凄くキレイー!誰かに貰ったの?教えてよぉ、ねぇったら、ねぇ!」 
公子はたまらず姉、梢の指にすがりつき今までの人生の中でも一度も見た事がないぐらいに美しい輝きを放つその指輪をくいいるように見つめていました。
梢がもったいぶって誰から貰ったのかそれとも自分で買った物なのかなかなか明かさないものだから、公子の苛立ちだってよけいにつのります。 
そしてついに公子のあまりのしつこさに根負けした梢がその紫水晶の指輪をしている理由を話し始めました。 
「これはねっ、貰ったのよ」 
「でっ、誰に!?」 
更に身を乗り出す公子に梢は笑って 「うふふふっ、私が無事に父さんの勤めてる会社の取引先の事務員になれた就職祝いだからって父さんが私の誕生石の紫水晶の指輪をくれたの!!母さんも今まで苦労かけたお礼にとかってトルコ石の指輪を父さんから私といっしょに貰ってたわよ!なんでも知り合いの宝石店の人から私と母さんの誕生石を教えて貰って買ったんだって、父さんてたまに粋な事するじゃない?でも公子にはまだ駄目だってぇ!」 
「どうしてぇ!?私だって姉さんや母さんみたいに自分の誕生石の指輪がほしい!!」 
すねてふくれる公子に姉、梢は冷たく「公子には無事に就職出来たら買ってやるって父さんが言ってたわよ、あんたは私と違って勉強あんまり好きじゃないし、わがままな所があるからちゃんと就職出来るかだって分からないし父さんも心配でしょうね・・
公子がちゃんと女学校を卒業して無事就職出来たら私からも何かいいもの買ってあげるから今回はこれで我慢なさい!間違っても父さんにわがままを言っちゃ駄目よ!父さんには父さんのちゃんとしたお考えがおありなんだから!」 
そう言い捨てた姉は小さな包みを公子にくれました。
そう言われておまけに何かを貰ってしまい納得せざるをえなくなった公子は姉から貰った包みをその場で開封すると中には公子の大好きなアジサイ色のブラウスが入っていました。 
「梢姉ちゃん、有り難う〜!」


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あきゅろす。
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