[携帯モード] [URL送信]

パワーストーン物語
@
ふわふわ綿菓子のような雲の上から今日も小さな天使さんが海に囲まれた素敵な島国「日本」のとある場所に住んでいる女の子の事を眺めていました。
女の子は毎日楽しそうに暮らしていて、その笑顔を見ているだけで天使さんは幸せな気分になるのでした。
でも、今日の女の子はなんだか様子がおかしいのです。笑顔はどんどん曇り初め、ためいきばかりついているのです。
ためいきをついた数だけあの娘の幸せが逃げて行くのが天使さんには見えました。
「早くあの娘に言ってあげなくちゃ!このままではあの娘の笑顔も幸せもすべてなくなっちゃうよ〜」。
慌てた天使さんは大好きなあの娘を助ける為に日本に住む女の子の元へと大切なお土産を持って下りてゆきました。
女の子は二階建てのちいさなお家の二階の部屋にいて、目からぽろぽろと涙を流してつくえの上に顔をふせています。
あの娘の受けた心の傷はかなり深いようです。
「どうしたの?大丈夫?」いくら叫んでみたところで女の子には天使さんの姿は見えませんでした。
いつもならつくえの上にはあの娘と楽しく笑う少年の写真が飾られているのですが、なんとそれが真っ二つに破られてしまっているではありませんか。
寂しい気分に包まれた天使さんはどうしてももう一度見たかったのです。
あの娘の可愛い笑顔が...。
「やっぱりこれを持って来て良かった!」。
天使さんはそっとあの娘のすぐそばのつくえの上に淡いピンク色の玉を置きました。
天使さんからのお土産はローズクォーツの玉だったのです。
玉はころころところがり、女の子の身体に触れると止まりました。
女の子は玉に気付くと手に取りました。その石を見ていると、ついなんとなく撫でてみたくなりました。
そうしていると、心が穏やかになって、いろんな考えが頭の中に浮かんで来たのです。
女の子は大好きな男の子とささいな事でケンカをしてしまったのでした。
それまでは男の子が絶対悪いんだ!としか、どうしても思えなかったのに、なんだか自然に相手を思いやる気持ちが芽生えてきたのですから不思議です。
これがローズクォーツの石の持つ力です。


[次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!