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パワーストーン物語
C
「そう…でも、僕、探してみるよ!僕には大切な友達がいてその友達の命が今とても危険な状態なんだ…友達がそんな事になったのも全部僕のせいなのに、僕は何ひとつその娘の為にする事がないんだ…だから探してみるよ!」
「…そうかい…でも気をつけて探すんだよ!あんたのその気持ちはきっとその娘に伝わるよ!おっと、これを渡しておくよ、これはネックレスが切れた時に私が掴んだたった一粒だよ!どんな物か見本がなくちゃあ探せないだろう?もし見付からなかった時にはそれをその娘に持って行っておあげ!その石の名前はローズクォーツと言って私の名前がローズだからあの人がプレゼントしてくれたんだよ!」
「そんな大事な石を僕なんかにくれてやっていいの?」
「あぁ、もう私には必要のない石だから構いやしないよ!」
「有り難う、おばあさん!」
「違うよ、ローズだよ!」
「えっ?あぁ、有り難う!ローズ!」
それからのエリックは毎日暗くなるまで時間の許す限り川の浅い所から深い所は潜ってローズクォーツを探し続けました。
ネックレスの形は一粒が1センチ程の丸玉をずっと通してあったそうで、エリックはもやがかったような薄いピンク色の丸い石がないかと川の中を探しました。
けれど石は見付からず、ローラの意識も戻らぬままでした。
そんな姿を遠くから見ていたマイケルは自分にも何か出来る事はないかと思ってはいたのですが、彼は運動も苦手で泳ぎも出来ません。
そこでマイケルはローズクォーツの石について調べてみる事にしました。
そしてエリックに調べた内容が書かれた紙を渡したのです。
そこには「ローズクォーツは愛を得る石、美を得る石として人気が高い」と書かれてあったのです。
ただの石だと思っていたけれど、そんな力を秘めていたとはしらなかった…。
そう思うとなんだか残ったこの一粒にも愛着が湧いてきます。
「おぃ、ローズクォーツ!おまえの仲間はどこにいるの?僕に教えておくれよ!」
そう呟きながら探しに行くと、奇跡のように次々にありそうな場所が分かり、ついにほとんどの石を見附け出せました。
そしてそれをマイケルに見せるとマイケルは家からつり糸と金具を持って来て、器用にそれを元のネックレスへと復活させました。
「やったぞー!!」
二人はローズのいる所へ走って行きましたがローズの姿はどこにもありません。
「おかしいなぁ…いつもはここにいる筈なのに…」


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あきゅろす。
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