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パワーストーン物語
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最近学生時代に一番仲が良かった有紀からぱたりと連絡がなくなった。
琴美はどうしたのだろう?と思いつつも自分も仕事や恋に忙しく、とても有紀の事まで気にかけるゆとりも余裕もなかったのだから仕方がない。
そんなある日の事、その有紀が突如として琴美の職場に現れるではないか!!?
琴美は久しぶりに会う有紀と会社の近くのいつも行列の出来ている美味しいカレーライスのお店が珍しく並ばずに入れそうなのに気付くとそこで昼食を取る為にいっしょに入って行った。
「このカレーライス、凄く美味しい!!」
有紀はいつもと変わらぬ様子でいるが、なぜだかどこかおかしい感じが漂っていた。
「有紀..最近どうかしたの?」
から元気を装ったところで琴美には全てお見通しのバレバレだった。
「あの10才年下の彼氏とはうまく行ってるの?」
鋭い指摘に有紀は一瞬たじろいだが、ゆっくりと話し始めた。
「それが..毎日振り回されて苦労してるの..もうやめたいぐらいなんだけど可愛い所もあるし別れたくないし..でも..」
「そうなの...でも、私も、もうそんなに時間ないの..食事も終わったし少し休んだらまた仕事に戻らなきゃなんないし、最近残業ばっかでしばらくは有紀の話ゆっくり聞いてあげれないんだ...もし短くで済むんならメール送ってくれるかな?」
琴美は有紀にわざとそっけない態度を取るのだった。
有紀の話はいつも長い。
自分では決められない事態になるといつも琴美にはっきり言ってほしくて連絡してくる。
でも有紀は琴美に言われた通りに行動して一度とんでもない目にあい、それっきり琴美の言う通りにはしなくなってしまった。
いくら言われたからと言って自分の気持ちを押さえてまで他人の言う通りにする有紀のそんな所は琴美はあまり好きではなかった。
有紀は決断力がなくいつも迷ってばかりいる。
でもそれも持って生まれた性格だから仕方がないと琴美は仕方なくも思った。
それっきりもう有紀は職場にやっては来なかった。
あの若過ぎる彼氏とはどうなったのだろう...。
ぼんやりと考えていた頃、今度は琴美の前にかなり若くて強引な男が同じ会社に入社するなり興味を持ち、琴美に急接近して来たのだ。


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あきゅろす。
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