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パワーストーン物語
C
その頃にはミリアの恐怖心も少し和らいでいました。
届いた荷物は戦地からのケビーからの物でした。
「僕はチビの方でビル!」
「僕がノッポの方のボブ!」
「僕等はミリアを悪い大人達から守る為にケビーの留守中はこの家を見張る事に決めたのさ!」
「あなた達、学校は?」
「学校には長く行ってない...みんな出来の悪い僕等を虐めるからそれで行かなくなった。
だから僕等はミリアの事を守ろうって誓ったのさ!そりゃ〜、たまにはミリアに、そのぉ...男としての気持ちを持つ事もあるけど、ケビーが帰ったら家を覗いたりはしないからさ、安心してよ!僕等の気持ちはお姫様に憧れてる下っぱの兵士達って感じだからお姫様をこまらせるような事は絶対にやらないのさ!信じてくれる?」
「えぇ!!」
ミリアはそれからボブとビルを家の中に入れ、ずっと守って貰いました。
ミリアはまた街の女達から今度はまだ何も知らないようないたいけな少年を二人も手なづけて、朝から晩まで夫の代わりに情事を楽しんでいるとうわさされ、また男達は、ボブとビルがもう羨ましくて羨ましくてしかたがありません。
こっそり家の中を覗いてみるとミリアとボブとビルが楽しそうにお茶を飲んでいる姿が見えました。
ミリアはケビーがいなくても守ってくれる心強い味方を得たのです。
ケビーが結婚の記念にと、戦地に向かう途中の街で買い求め贈ってくれたムーンストーンが届いてからずっとミリアは守られるようになり、あの日から一度も危険な目にはあっていません。
それに不思議な事が起こりました。
ミリアが初めてムーンストーンのネックレスを身につけた時、ボブとビルが一番ミリアに似合うと思っているイエローのドレスを着ていて、ケビーはファッション感覚にはうといようなのにまるでそのドレスに合わせたように数ある宝石の中からムーンストーンを選んでくれていたのです。


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あきゅろす。
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