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APH/novel
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……もし、このまま妖精さん達と話が出来なくなったら。


ふとその考えが頭を過ったのだ。もしもこの先ずっとこの状態が続いてしまえば元より友達の少ない、それどころか敵の方が圧倒的に多く作り、その上こんな性格の自分だ。

宥めてくれる相手も、孤独を埋めてくれる相手も無くしてしまう事になる。


つまり、何百といった年月を重ねた仲の話し相手を一気に失ってしまう事になる。


(そんな事……そんな事有って堪るもんかよ。でも……でもだからといってどうにかする手立てがある訳でもない。何をしていいのかすら何にも解らないんだ。……ただでさえ孤独に近い生き方をしてるって言うのに、)



あいつらを失えば。



じわりと目尻に熱い涙が浮かんできて視界が悪くなってくる。一度滲み出してしまえば連なる液体の固まりははらはらと簡単にデスクへと落ちていく様だ。

嗚呼なんて俺は自分勝手なんだろう。ほぼ自分が原因で喧嘩して話すら出来なくなってしまったと言うにも関わらずいざたった一人の孤独をぶつけられ、絶望を味わえば会いたくなってしまうなんて。


ただただ不安と絶望に胸を締め付けられ、そんな時にふわりと揺れるあの金髪が頭の内に浮かんできて。更にデスクにはぱたぱたと頬を伝い落ちて行った雫が跳ね回る。



素直になる術を知るように妖精達も俺を宥め教えてくれていた。まさかそれを突っぱねてしまったことがここに来て裏目に出てしまうなんて。なんて。なんて俺は。



(……誰でもいい訳じゃねぇ。…あいつらが。…あいつらだけじゃない。あいつがいなきゃ俺は何も出来ない。出来ないなんて昔から知ってたのにいつもいつもこうなってから…。)



どうしよう。あいつにも妖精にも会いたいのにどうすれば良いか解らない。
頭の中をぐるぐると考えが空回りしていく。ああ。ああフランシス。助けて、お前いっつも甘えろなんて言ってたじゃねぇか。今がそれなんだ。今なんだ。今来てほしいんだ。……謝れるなら謝るから。ああ。ああ。


胸が強く締め付けられたその時だった。



雨どころか、外からはごろごろと地面が揺れるかのような低い音色が演奏された。






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