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ヒトリ季節企画
沖田総悟
クリスマスって何ですか?

約束なんかしても無駄な2人の関係。

寂しいから1人でケーキ食べてやる。





寒い日はこたつで1日過ごすに限る、と昨夜買ったケーキを取り出していると、呼び鈴が連打された

「メリークリスマスー」

棒読みで現れた制服姿の総悟に訝しげな表情で一瞥する。

イベントに全く興味がない男が「メリークリスマス」という言葉を口にしている自体おかしな話だ。

「…何か企んでない?」

開口一番、玄関先で言う私に総悟がニッコリと微笑む。

ほら、何か企んでる顔。

「美砂に会いに来たんでさァ」

プレゼント、と紙袋を私に渡すと部屋に入って行った。



「てか今日クリスマスじゃないし」

私の休みと総悟の休みが合わないのは日常茶飯事。
今日は私が休みで。
総悟は休みじゃないのに来てくれて。

「1人でケーキとは寂しい女だねィ」

こたつに入った総悟が私のケーキを食べながら言う。

「ほっとけ」

その横に入り込むと、「狭い」と舌打ちをされた。

「総悟ー」

わざと纏わりついてやる。

「なんでィ?甘える暇があるんならソレ開けてみろィ」

「あ、うん」

有難うと呟いて紙袋を開けると、中から出てきたのは真っ赤なサンタ服。

「サンタ?」

「着てみてくだせェ」

「え、なんで」

「似合うと思いますぜィ」

ニヤリと口端をあげて私を見上げた。



「おー!」

総悟には珍しく感嘆の声。

「いやいやこれ女王様だよね!?サンタじゃないよね!?」

ご丁寧に網タイツまで用意されていたからつい履いてみたけど。

「サンタでさァ」

しれっと言う総悟の視線が痛くて、くるりと後ろを向いた。

「美砂此処来なせェ」

手招きをされて横に座る。

「可愛いでさァ」

「え!そ、そうかな…」

ニッコリと微笑む総悟に素直に照れる私。

「こうしたらもっと可愛いと思いますぜィ」

あれ、

私の上に総悟が居る。

ビリ

「ちょっ!何してんの!?」

網タイツを力任せに破った総悟がニヤリと笑い、編み上げてある服のリボンを解いた。

「いい格好でさァ」

舌なめずりをする総悟にズクリと身体が反応する。

「総悟、」

私の言葉は総悟に重ねられた唇によって飲み込まれた。

苦しくて、潤んだ目で見上げて睨むと。

「彼氏の言うことくらい聞きなせェ」

そう言った総悟が首筋に舌を這わした。

「彼氏…」

総悟は彼氏だったな、と実感して心が温かくなる。

「彼氏さんなら、私の言うことも聞いてくれる?」

「なんでィ?」

強く首筋を吸い上げた総悟が顔をあげた。

「たまには優しくしてください」

「却下」

「えーー…」

ニヤリと笑った総悟が耳元に唇を寄せて舌で舐め上げる。

「美砂がフツウで満足できますかね?」

「んっ」

「わかりやした。俺からのプレゼントと思ってくだせェ」

優しい口付けに優しい愛撫。
やっぱりそれじゃ物足りなくて。

「総悟、いつもので、いいから」

「このドエムが」

低い声に欲情する。

そう調教したのは総悟でしょ。

このドエスが。



目が覚めた時には総悟は居なかった。

起き上がった私は全身が痛くて思わず悲鳴が出る。

「あ」

こたつの上に赤いリボンで結ばれた箱が置いてあった。

プレゼント?

リボンを解いて開けてみるとそこには誕生石の入った指輪がある。

「フツウの彼氏みたいじゃない」

右手の薬指にピッタリだった。

携帯電話を開いて総悟に電話。

「起きたか、ドエム」

出て早々そんな言葉が浴びせられても。

「指輪ありがとう!サイズピッタリでびっくりしたよ」

「そうですかィ」

「私も総悟に何かプレゼントしたいんだけど」

「いらねーよ。ドエムなだけで十分でさァ」



そんな言葉が褒め言葉に聞こえる私は。

やっぱり総悟に調教されてる。



20091212

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あきゅろす。
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