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ヒトリ季節企画
沖田総悟
ドエス党の彼にはS多目のチョコレートを。

S型のチョコ?なんだそれ。

2月14日の約束はもうしてくれている。






"いいですぜィ。屯所まで来てくだせェ"

そういわれて指定された時間に行くと…

「沖田さーーん!コレ受け取ってください!」

「総悟くん私のも!」

なんじゃこりゃーーー!!

屯所の前には段ボールが置かれ、そこに立っているのは満面の笑みを浮かべた彼氏…総悟が居た。

「順番ですよ!並んでーー!!」

真選組隊士が整理する中、呆然と立ち竦んでいた私も何故か並ばされる。

え。あの…私…

彼女なんですけど!!


何このその他大勢扱い…

並んでチョコあげてちょっと話して。

どこぞのアイドルかよ!?

てか、総悟がここまで人気があるとは思わなかった。

溜め息を吐くと目の前には総悟。

「…何してんでィ?」

「え、いやなんか並ばされて…」

はい、と昨夜から頑張って作ったチョコレートケーキを手渡そうとすると、「いらねェ」と言われた。

「え…」

「屯所の中で待ってなせィ」

びん底眼鏡の隊士に連れられて総悟の部屋へ案内された。


初めて入る総悟の部屋。

屯所って女人禁制って言ってた気がしたけど…

襖が開き、総悟がスカーフを緩めながら部屋に入ってきた。

胡坐を掻いた総悟が「お疲れ様」と言った私の持っている紙袋を見遣る。

「それ」

「あ、うん。総悟に持って来たんだけど、さっきいらないって、」

「何言ってんでィ。美砂のはヤロー共に食わせたくねェだろィ?」

ガサガサと紙袋からチョコレートケーキを取り出し、口端をあげた。

「Sがデケェ…」

「総悟のSはドエスのSだよ」

四角いスポンジケーキの上にトッピングしていたSを口に銜えた総悟があまりにも可愛くてかっこよくて。

「ん。うまい」

褒められたことが嬉しくて…

「総悟」

「なんでィ」

「仕事、大丈夫?」

「さぼりまさァ」

食べ終えた総悟がニヤリと笑い、私を手招いた。

首を傾げて近付いた私の肩を引き寄せて口付けをする。

総悟から優しい口付けをされたのは久しぶり…

と余韻に浸ろうとしたら、下唇を噛まれた。

「も…」

押してもビクともしない総悟との接吻も深いものになっていき、私の息も上がっていく。

離れた総悟が口元を拭く姿を虚ろな目で見ていた私がポツリと呟いた。

「…甘い」

「特別甘いだろィ?俺の唇は」

そう言うとまた口付けを仕掛けてくる。

今日の総悟は優しい、気がした。



サボると言っていた総悟だけど、副長さんに見つかってしまって私は家に帰された。

仕事が終わったら来てくれる。

夕方かな?夜かな?

と思っていたら、太陽がまた高い時間に来てくれた。

手に持っているのは苺のパック。

「安かったんでィ」

「ありがとう」

こたつに入った総悟に私のお気に入りの紅茶と、作り過ぎたケーキを差し出す。

「たくさんチョコ貰ってたね」

アイドルみたいだったよ、と微笑む私に。

「貰えねェ隊士に恵むんでさァ」

「へェ。優しいとこある、」

「金取るけどな」

…あぁ、あんた今年に入ってドエスの輝き増してない?

そんなところも好きだからいいんだけど。

あ。そうだ。

「総悟総悟」

「あん?」

苺を食べようとした総悟がヘタを持った体勢で此方を見た。


「ずっと好きだからね」


ポロリ、と総悟の手から苺が転げ落ち、慌てて拾った私の腕を強く掴まれる。

「総悟?」

「黙っとけ」

総悟の体重が圧し掛かったと思ったら口付けをされ、帯を解かれる感覚に目を閉じた。





ドエスな貴方から甘い言葉も何もなくても。

こんなに甘い時間があるから。

このまま溺れてていいですか?



20100212

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あきゅろす。
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