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ヒトリ季節企画
後日談〜土方編〜
「なんでィ。そんな衣装用意した覚えはないですぜィ?」

「俺が用意したんだ」

私が着ている衣装は沖田隊長と同じ、男性用のサンタクロース。

「俺の用意したニーハイ何処やったんでィ?」

沖田隊長が私を睨み、苦笑いをした私が土方さんを見上げた。



衣装合わせの時に副長室へ連れ込まれ、なし崩し的に事に及んだ事態を思い出す。

あの時は…激しかったな…

にやけそうな頬を慌てて押さえると、沖田隊長が不敵な笑みを私たちに送った。

「変態」

「は?」

「ニーハイ履いたままヤったんですかィ?とんだムッツリ野郎だな。土方は」

「ヤッてねーよ!」

…そんな顔して否定しても説得力ないですよ、土方さん。

局長に呼ばれた土方さんが離れ、私は沖田隊長に連れられて広間を出る。

「そんなこったろうと思いましたぜィ」

「隊長?」

連れて行かれたのは沖田隊長の部屋。

中に入った隊長を廊下で待っていると、紙袋を私に渡した。

「コレに着替えなせェ」

「え」

開けてみると赤い衣装…

「この前の替えでさァ」

ニヤリと口の端をあげた沖田隊長に逆らえず、部屋に戻って着替えた。

廊下で見張られていたらしょうがないでしょ…

「スースーするんですけど!」

「似合いまさァ」

ニヤニヤと笑う沖田隊長が私を舐めるように見る。

「こ、怖い…隊長、なんですかその目は…」

「あ?メス豚かどうか審査してんでィ」

「いらないですよ、その審査」




パーティー会場である広間にはすでに隊士たちが整列している。

並べられた料理にお酒、いい匂いに思わず生唾を飲んだ。

「卑しい奴ですね。美砂は」

隊長が襖を閉めて、上座の方へ続く廊下を歩く。

それについていきながら、ニーハイソックスをあげていると。

立ち止まった隊長がニヤリと笑う

「パンツ見えますぜィ」

「見ないで下さいっ」

てか、前を歩いてるんだから見えるわけないでしょ!!

「毎年恒例ビンゴ大会ーー!!」

山崎さんの声で始まったビンゴ大会。

「今年は一番隊沖田隊長と副隊長の美砂さんがサンタです」

紹介され、沖田隊長に腕を引かれて広間へ入る。

「おおーーーーーッ!!!」

え、なに…

低い唸り声が一斉にし、ビクつく私に土方さんが慌てて駆け寄ってきた。

「なんだその衣装は!?」

ジャケットを脱いだ土方さんが私にそれを着させ、ほっと息を吐く。

「なんでィ。土方さんだけ独り占めってずりィんだよォ」

そうだそうだ、と隊士からも声がし、目の前の土方さんに青筋が立っている。

「ひ、土方さん…」

見上げる私を睨んだ土方さんが怖くて目を逸らした。

離れた土方さんと同時に、また低い唸り声があがる。

「おおおおーーーーーーッッ!!」

今度は何だよ…

「っ…!!美砂!!こっち来い!!」

顔を真っ赤にした土方さんに腕をひかれ、広間を後にする。

「ちょっ、痛いですってー…」

連れて行かれたのは副長室。

腕を離した土方さんが大きく溜め息を吐いた。

「おめェ危機感が足んねェ」

「え?危機感?」

「見てみろ」

姿見を見せられ私は首を傾げる。

「なんですか?」

土方さんのジャケットを羽織った私。

の何がダメなんだろう?

「そういうの、萌えんだよ…」

は?萌える?

「男物の白シャツ然り、大きすぎる服を着るっていうのが、な」

「変態」

「誰のせいだと!」

土方さんに強く抱き締められた。

そして、降って来る口付け。


「誰にも見せたくねェって言っただろうが」


ちゅっと音がしたかと思ったら首筋に吸いつかれた。

パサリとジャケットが脱がされ、サンタ衣装が顔を出す。


「俺のモンだ」


囁かれた言葉が妙に恥ずかしくて、抱き締められた腕の中で真っ赤になった私。

「土方ーー、サンタ返せバカヤロー」

拡声器で廊下から声がする。

「た、隊長!?」

舌打ちをして私から離れた土方さんが、襖を開けた。

「あ?てっきりヤってんだと、」

「ヤッてねーよ!おい総悟。さっきの衣装返せ」

「いやですぜィ。あいつらも美砂のニーハイサンタ待ってんでィ」

「あいつら……」


「士道不覚悟で切腹だーーッッ!!」


そう叫びながら広間へ行った土方さんを冷静に見ている一番隊隊長。

「あいつ馬鹿ですぜィ」

「あはは…」

とはいえ、このサンタ衣装は"彼氏"の命令どおり、着替えることにしよう。

「隊長、着替えていくので先行っててください」

「美砂も物好きですねィ」

苦笑いをした隊長に、私は口の端をあげた。


「私は土方さんのモノなので」


沖田隊長が驚いた顔をしたかと思ったら、不敵な笑みを浮かべる。

「勿体ねぇな。メス豚として調教し甲斐がありやすぜィ?」

「いやいいです遠慮します…」



私のクリスマスはこんな感じであっという間に終わりました。
あれ?作文?


20091224

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あきゅろす。
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