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どうしてこうなった
新しい関係

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「ちょっと、さっさとメシ作れって。昨日も明彦激しすぎてお腹すいてんだよ」

「わっかた、わかった。肉じゃがとみそ汁だぞ」

「はぁ、何だよそのシケたメニュー。もっと他にないわけ」

「………明彦が好きなんだよ」

「なら仕方ないね。明彦が好きなものは俺も大好き」

「そうかい」




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いつの間にこうなった。



俺は、一人暮らしの狭いキッチンでリビングから文句を言われながら、ぼんやりとそう思った。


あの、美少年幹夫と初めて遭遇した日。

俺はゼミ発表を終え、クタクタになって帰ってみると、リビングで幹夫と明彦がラブラブな雰囲気でテレビを見ていた。

幹夫は明彦にこれ見よがしに寄りかかりながら、フンと俺に向かって汚ないものでも見るような目で俺を見てきた。

ヒデェ。


『ただいまー』

『おかえりー、アッキー』


そんな普通の帰宅時のあいさつを明彦と交わすと、明彦に寄りかかっていた幹夫が明彦に小声で何かをささやいた。

感じが悪いなぁ、もう。


二人で二言三言何か囁き合った後、明彦は幸せそうな笑顔で「いいよ」と幹夫にキスした。


おぉ、イケメンと美少年だと画面が輝いて見えますが。

つーか、明彦ベタ惚れだな。

俺はなんとなく、この後に明彦が言う言葉が予想できた。



『ねぇ、アッキー』

『何だ、明彦』

俺は夕飯の買い物を冷蔵庫へしまう為に、冷蔵庫へ足を向けた。


『アッキー、俺と別れてよ。俺、ミキと付き合いたいから』

『…………』

やっぱりな。
コイツはほんとに俺に関しては道徳心すら全く無くなるヤツだな。


俺は野菜室に野菜を入れながら、小さくため息をつくとリビングに居る明彦達をチラリと盗み見た。

相変わらずゼロ距離な二人は、早くお返事をしないと、まさかの此処で事に及びそうな雰囲気すら漂い始めた。

ヤバい、さすがにそう言う事はリビングではよしてもらいたい。


『いいよ、別れようか』

俺が素早く言うと、明彦は笑顔で『ありがとー』と、あの甘えたような声で言ってきた。


別れ話でありがとうとか言う奴居るんだな。
しかも、満面の笑みで。

ほんとに明彦のヤツべた惚れじゃねぇか。
昨日の様子だと幹夫も明彦にベタボレみたいだし……良いカップルだな、ほんとに。

羨ましい限りだよ。

俺が若干そんな事を思いながら二人を見ていると、バチリと幹夫と目が合った。
そんな俺らに、明彦は幹夫に俺の紹介をしているのか……それともただのスキンシップなのか、わからない距離で何か囁いた。

すると、幹夫は不満そうな顔でふーんと頷くと、しっかりと俺の方を見てきた。


『これからよろしくね、アッキー』

『…………よろしく』


いきなりアッキー呼びかい。

しかも全然よろしくしたくなさそうな顔で言われてもなぁ。

幹夫は言い終わるや否や明彦を引っ張って立たせ、強引に寝室の方へと引っ張った。

あぁ、今夜もよろしくすんのかい。

昨日の今日なのにお元気な事で。


俺はそのまま寝室に向かう二人を見送りながら心底そんな事を思った。





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