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どうしてこうなった
不明瞭な関係
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俺、相田明(そうだ あきら)は今年大学に入学した、19歳の普通の男だ。

大学が若干離れていた為、現在は幼なじみ兼恋人と二人暮らしをしている。

まぁ、二人暮らしと言うより、幼なじみ兼恋人のアイツが勝手に俺の部屋に住んでいると言った方が正しいのかもしれない。

ちなみに、その俺の幼なじみ兼恋人は現在高校2年生だ。

大学生と高校生。

こう聞くと、なんとなくだが俺から手を出したような雰囲気が漂うが、別に、俺から手を出したわけではない。


決してない。


手を出してきたのは100パーあいつからだ。

この言葉には、嘘も偽りもそこにはない。


今年の4月。

アイツは勝手に一人暮らしをする俺の部屋に上がり込んで、自分の家に全く帰らなくなった。


普通ならアイツの親あたりが何か文句を言ってきそうなものだが……



そうはならなかった。



アイツの親は、上がりこんでいるのが俺の所だとわかっていたせいか「アキちゃんの所なら安心ね」とか言って、何故か俺の口座に毎月生活費を振り込むようになった。


本当に、何故だ。

育児放棄も甚だしい。



こうして、いつの間にか俺の家から学校に通うようになったアイツは、俺の幼なじみから、幼なじみ兼同居人になった。


そして、アイツと一緒に住み始めてから約1週間後。

俺はいつの間にか、アイツに抱かれていた。

いやぁ、ワケがわからない。


だが、アイツが言うには俺と居ると凄く落ち着くから思わず抱いてしまった……らしい。


落ち着くから抱いたって何だ。

それじゃまるで俺が抱き枕みたいではないか。

つーか、んな可愛げのある抱き方じゃなかったし。

かなり激しかったし。


あー、わけがわかんねぇ。


と言うか、ずっと幼なじみで一緒に居たのに今更、落ち着くって……。

俺は大分前からアイツの存在は空気のように当たり前になっていたと言うのに。



要はアレだ。

アイツは欲求不満だったんだ。

アイツは昔から美形で、かなり整った容姿をしている割に、男ばかり好きになっていたので中々特定の相手が現れなかった。

悲しいかな。
やはり同性愛者は社会の中では、かなり少数派として分類されるようだ。

よって、相手を探すのも、いくら美形のアイツでも一苦労って事だ。

そんなアイツは、とうとう欲求不満が爆発してしまったらしい。

そんな欲求不満をぶつけられたのが、この俺、相田明だったというわけだ。

まぁ、俺も思ったより気持ち良かったからいいか、と言う感じでその場は流そうとした。


俺、意外と貞操観念は低かったらしい。


しかし、幼なじみとの既成事実を華麗に水に流そうとした俺の思惑は、ヤッた後のベッドの中で綺麗にぶっ壊された。


俺が、素っ裸で眠るアイツの隣でぼんやりとしていると、アイツは今にも眠りそうな目で俺に「アッキー俺と付き合わない?」と言ってきた。


いやぁ、無理だろ。

いくら気持ちよくても、男はなぁ。
しかも幼なじみ相手って。


無理だな。




そう確かに俺は思ったが、俺の体は自分の意志に反して「いいよ」と頷いていた。

すると、アイツは嬉しそうに笑って「ありがとね」と言うと、そのまま眠りについた。

あー。

出た、出た。
俺の悪い癖。

俺は昔から、アイツのこの甘えたような声と笑顔に凄く弱かった。

あの声でお願いされると、俺は何でも頷いてしまうのだ。

それが、俺よりデカくて髪色も薄く見た目も性格もチャラくなってしまったアイツでも。


一人っ子の俺にとってアイツは、幼なじみと言う名の弟だった。


それは、何年たっても、変わらない。

こうして、いつの間にかアイツは俺の幼馴染のような弟から同居人になり、そして最後に恋人になった。

なんだか今思い返すと凄い変遷を遂げていると思わなくもない。

でも、全部いつの間にかそうなっていたんだから仕方ない。




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あきゅろす。
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