[携帯モード] [URL送信]

短編集
他力本願な快楽


授業時間勘違い視姦プレイ美形×マジで他力本願快楽に弱い平凡

まさか、まさかの続編です。
もうストーリーも何もないww
一体どうしたって感じの話

------------








俺、山城一樹の趣味は人間観察だった。

そう、“だった”のである。

故に、今の俺の趣味は人間観察ではなくなってしまった。


それは何故か。

何故かと言うと………






「っふ、ん」

「……ん」


俺は現在、とある工業高校の男子便所の1室で男にキスされている。

これが全ての答えだ。



「ふっ、ぁ。はぁ、はぁ」

「大丈夫か?山城」

「おう、大丈夫、大丈夫。気持ちよかっただけだから」

「なら良かった」

「とりあえず、今回も生物のノート借りるぞ。ありがとな。津村!」

「いや、別にいいよ。また貸して欲しい奴があったら言ってくれよ。明日、でもいいからな?」

「うん、多分明日も借りる」

「あぁ、是非、借りてくれ」


狭い便所の中、俺は奇麗に微笑む津村にガッツリ腰を抱かれながら生物のノートを借りた。
多分傍から見たら相当寒い光景だ。
なんせ、男子高校生同士が便所の中で密着した挙句、キスしてんだからな。

相当サムい。

しかし、これは俺と津村の神聖なる取引の結果、成り立っている状況なのだからどこもおかしいところなんかない。

うん、全然おかしくなんかない。
ノートを手にそんな事を考えていると、また津村に俺の唇は奪われていた。

今度は早々に舌が付入ってきやがった。


うん、男子便所でディープキスしまくってる俺らだけど、全然おかしい事なんかないんだぜ。

うん、マジで。





俺は汚ない男子便所で、男に舌を突っ込まれながら感じる快楽に頭をボーッとさせると、あの日……全てが始まった日の事を思い出した。



----------

『ノート貸す代わりに抱かせて』

『……は?』

『ノート、貸して欲しいんだろ?』

『う……うん』

抱かせて

一瞬その言葉の意味が俺はわからなかった。

抱く?
抱くって……えーと、性行為的な、アレだよな?

え、マジ?
俺、普通の男子高校生なんだけど。

俺は一瞬津村が冗談を言ったのかと思った。

けど、それは違った。
津村の目、それは完璧にマジだった。
なんつーの、ギラギラっつーか、なんつーか。
とりあえず、津村は何故か俺に欲情していた。

マジで……?

俺は驚きながらも、その勢いに押されて俺は思わず頷いてしまう所だった。

まぁ、それは一瞬にしてあり得ないだろと俺の理性が総動員したため、頷く事はなかったが。

というか、何故いきなり津村は俺の事を抱きたいと思ったのだろうか。
もしかしてホモなのか?

俺はグチャグチャ考えたが、結局『あー、じゃあ他の奴に借りるわ』と言って混乱したまま津村の席から離れようとした。
我ながら今思い出しても普通の対応だったと思う。


しかし、そんな俺の動きは背後から引っ張られた強い力でアッサリと止められてしまった。


『……じゃあ、抱かれなくていいから………キスでいい』

『キス?』


俺は必死に俺の腕を引っ張る津村にポカンとすると、そのカッコイイ顔は更に真剣さを帯びて俺の目に映った。


『キスさせてくれるんなら、俺のノート……全教科貸す』

『マジか!?』


俺は一瞬にして俺の腕を掴む津村に食いつくと、津村の顔を見上げた。
そこにはやはり、ギラギラした目で俺を見る津村が居る。

けど、そんなもん関係ねぇよ。

抱かれるのはちょっと……な感じだが、たかだかキスくらいならいくらだってくれてやる!それで津村の奇麗なノートが手に入るなら十分釣りがくるってもんだ。


『わかった!キスな!その提案乗ってやる!』

『交渉成立だな』


津村はそう言ってにっこり笑うと、俺の腕を掴んだまま教室を出て行った。

その時、俺はハッとして周りを見た。
周りでは驚いた顔で俺達の事を見つめるクラスメイト達。

あー。やっばいな。この調子じゃ、皆俺らの会話聞いてたよな。

俺らの事めっちゃ見てたし。



あー、けどまぁ………いいか。


まぁ、それは後から何とでもなるだろう。

俺はテキトーにそんな事を考えて、津村につれて行かれるまま教室を後にした。

その後、教室がギャーギャーヤバい事になっていたが、そんな事俺は知らない。

だって、俺もその後スゲェ事になっていたんだからな。


先程の津村との交渉通り。

俺は今も使っている男子便所に、津村によって押し込まれると、激しいキス攻撃にあった。

いやぁ、全9教科分、9回のディープキス。

あれは凄かった。
さすが津村。

経験値の違いを見せつけられたぜ。


津村の与えてくるキスはもう激しかった。
キスがセックスではないかと思われる程、それは激しいもので。

舌を性器に見立ててフェラチオされた時なんか、普通に勃ちましたからね。俺。



そんなワケで、俺は今もノートを津村から借りる度に、激しいキスの嵐に見舞われている。
つか、最近はノート借りなくてもキスしてる。

理由は簡単。
滅茶苦茶気持ち良すぎて、このトイレに入ってキスすんのが俺の習慣になりつつあるのだ。

最初はこまめにノートを借りに行ってキスをする回数を増やしていたのだが、津村はスゲェ優しい奴で「キスならいつでもするから」とか言ってきやがったんだぜ。

マジで優しすぎるだろ。

津村がモテる理由、今ならスゲェよくわかる。

顔良し、性格良し、そしてテク良し。


これはモテるだろ。


俺は自分から津村の舌に激しく絡めながら、津村を見た。

うん、かっけーよ。津村。


汚ない男子便所で男二人が密着しながらディープキス。

そして終いには互いに勃たせて処理に困るのが最近の俺達だ。

あーぁ、こんな事なら最初から素直に津村に抱かれてればよかったかな。



まぁ、いいか。
次の期末の時、それは提案しよう。









俺、山城一樹の趣味は人間観察ではない。

俺、山城一樹の趣味は……


男と便所で……キス、かな。



[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!