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短編集
菅原道真の暇日記
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11月7日
菅原道真の暇日記
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あー、暇。
リアルに暇。

こないだまで朝廷で馬車馬ように働いていた俺が、今は相当暇してる。
なんでかっていうと、あれだ。

俗に言う左遷とかされちゃったからだ。
もっと簡単に言えばあれよ、あれ。
朝廷クビになった的な?
いや、一応仕事で来てんだからクビじゃねぇわ。
うん、左遷だ、左遷。
ぽーんとやっかい払いだわ。

まぁ、ね。

このご時世そんなのよくある事だって諦めて、スマートに此処大宰府まで左遷されちゃったけど……。
もー、ダメ。マジで我慢できない。
だってさ、此処マジでつまんないんだって。
あぁぁ、大宰府ったら何もないんですよ。
つーか九州とか聞いてないし。

いや聞いてたけども。
こんなにつまんないなんて、頭良くね?お前、って言われ続けた俺でさえ知らなかったし。

もー、やになっちゃうよね。
それもこれも全部、藤原氏のせいだって、ほんと。
あいつさー、やたら俺の言う事なす事に文句ばっか言ってくるんだって。
文句言われすぎて逆に俺の事、実は好きなんじゃね?って思った事もあったけど、それまるっきり勘違いだったわ。
うん、わかってたけどね。
あーぁ、やってらんねぇ。
そのせいで、俺右大臣だったのに左遷されてこんなつまらんところに来なきゃいけなくなるし。
ため息もんだっての。

しかも更にムカつくのが最後に俺を見送りに来た藤原の野郎の言葉。

「ま、頑張れよ。住めばどこでも都だって!な?」

どこが都だよ、住めば住むほどに暇な感じが露呈してきて更に嫌になったっつーの。
あー、最後のあいつの顔ぜってー俺がこうなるのわかってた。
むかつくなー。もう。



おわり
※その後、彼は大宰府で学問の神と崇められる事にとなる。

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