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蛇行
5

「やっぱり一時しのぎとは言え、あなたを蔦屋学園に入れたのは間違いだったみたいね」

「…………」

ヒリヒリと熱を持つ頬。

それとは裏腹に楓の心は、家に帰って来た最初とは比べモノにならない程ヒヤリと冷たく凍てついていくのがわかった。

あぁ、

何だよ。

何なんだよ、此処は。


「楓、そんな馬鹿な事を言っていられるのも今のうちだけよ。あんな学校を卒業して後悔するのなんか目に見えているでしょう?」


母の抑揚のない声が楓の耳に響く。

後悔。

無駄。

間違い。


並べられる否定の言葉。

あぁ、その否定は一体何に対して向けられている?


「(母さん…あなたは……)」


「だから……止めなさい。その反抗的な目は」

「(………学園だけでなく)」

そう言って軽く楓の目から逸らされた、母の目に、


楓の中の糸は


プツリと音を立てて切れた。


「(俺まで……否定するんですね)」




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あきゅろす。
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