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番外編
教師、混乱2


職員室に用があるなんて嘘だ。

ただ、彦星は先程からずっと楓に対して抱いてるこのモヤモヤをどうにかしたかった。

苦しい、苦しい。

「(これ……何だよ)」

彦星は扉の前に座りこむとそのまま頭を抱えた。

「(楓はオレの授業を好きだって言ってくれたじゃんか。なのにどうしてこんなにイライラするんだよ!)」


わからない、わからない

何だろう、この気持ちは。

楓と勉強できるのが今日までだから寂しいのだろうか。

いや、そうではない気がする。

では何だ、このイライラは。

「(オレは楓が好きなのにどうしてこんなにイライラするんだよ。楓は凄く可愛いのにどうしてこんなにモヤモヤするんだよ。わかんない、わかんない……)」

こう言う時、困った時。

自分はどうしていただろうか。

彦星はそこまで考えると、ハタと一人の人物を思い出した。

「(池ちゃん……!!そうだ!こーゆー時は池ちゃんにきーたほうが早い!)」

彦星の脳内に浮かんできた一人の人物。
それは、彦星の幼いころからの大親友、蛭池綾香であった。

彼にかかればこんなイライラした気持ちの原因なんて一発だ。

彦星は一気に表情を明るくすると、ケータイで彼へ連絡をつけるため職員室へと走ろうと立ちあがった




その時だった。

扉1枚隔てた向こう側から、あり得ない音が漏れてきたのを彦星は、確かに聞いた。


彦星は一気に職員室へ行くことも、幼馴染に電話をかける事も忘れ去って、勢いよく教室の中へ入った。




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