番外編
バカ study English
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それから楓と彦星は毎日放課後共に補習をした。
最初は英語教師である彦星が全ての教科を担当するという事にある種の不安を感じていた楓であったが、彦星はなんの事はなく、その他の教科も楓にわかりやすく教えてくれた。
楓は、授業よりも、担任よりもわかりやすい彦星の授業が大好きになっていた。
彦星になら安心して何でも聞けた。
彦星なら何を聞いてもうんざりしたような顔はしない。
いつも楽しそうに自分に勉強を教えてくれる。
「(楽しいなぁ……)」
楓は人が10やって覚えるところを、その10倍の100やってやっと理解するくらいの理解スピードしか持ち合わせていなかった。
だから授業ではいつも一つの所でつまずいたら、もう前へは進めない。
故に放課後、休み時間に教師に聞きに行くのだ。
しかし、それだけでは足りない。
だからずっと家でも学校でも勉強している。
必死に。
死に物狂いで。
だから、勉強に対してこんなに緩やかに、穏やかな気持ちで向き合えるなんて今までなかった。
楽しい、なんて思った事なかった。
「……これは、現在完了だから……have been?」
「はい!不正解!それは現在完了……じゃありませーん!!なので違います!」
「あれ?えっとじゃあ…過去、完了?」
「ブッブー!それも違いまーす!」
「え、えーとじゃあ……」
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