番外編
教師ミーツバカ
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堀田彦星は赤点者出席名簿を手に足取りも軽く、放課後の学校を歩いていた。
彦星は本日から約1週間行われる、赤点者の補習へあたる為、指定教室へと向かっている最中だった。
本来ならば赤点者という一番指導の難しい生徒達を、新人の彦星が見るという事は決して有り得ない事である。
しかも担当教科外である国語と数学までも担当するとは前代未聞。
いや、むしろあってはならない事だ。
しかし、彦星は選ばれた。
それは、ハッキリ言ってベテラン教師達からの新人いびりという嫌がらせの一種だった。
どうせ生徒などわざわざ現れはしないのだ。
そんな現れもしない生徒を待つなど、時間の無駄も甚だしい。
故に、彦星は選ばれた。
だが、彦星はそんな事実には全く気付いていなかった。
ただ、彼は頼まれた仕事をこなす為、無邪気に生徒達のもとへと向かった。
「ほしゅー!ほしゅー!バカにほしゅーを受けさせるー!」
そんなバカみたいな歌を口ずさみながら。
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