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ふたり、つまらない出来事


どうも、気が乗らなくて

きっと無愛想な挨拶になってしまったと思う


名前を言い、一言宜しく

案内されるがままに席に着いた


―――あたしの私情は、皆には関係ないのに


どうしても、父さんのことが気になって

朝、声すら掛けずに仕事へ行った母さんのことも


どうして、どうして、

よく、大切なものほど崩れやすいというけれど


こんなの、ひどいじゃないか


『………大丈夫か、?』


顔色悪いぞ、

声を掛けられて初めて知った


―――豪炎寺くんが隣の席だった


『ぁ、うん 大丈夫』


軽く、素っ気無く答えた

なんとなく、苦手だった


天才と云われるストライカーであり、皆のヒーロー

きっと順風満帆な人生を歩む人だ

あたしとは正反対で、無縁の人だ


元々、あたしは男子とはあまり話さない

といっても、人から見ればかなり気儘なあたしだ

人とあまり関わらないのが、空気になるのが得意だ


『そうか…?』


心配性、というのか

見ず知らずのあたしに何の興味があるというのか

気にしないで結構さ、どうせ空気だもん






(時間だけ過ぎていく、無言の時間)



 (c)ひよこ屋

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