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もしもし運命、何様ですか


監督

正剛さんは、いつも店の準備のために早く帰る


欲を言えば、そのときに一緒に帰れば済むものを

でも、最近分かったんだ


―――あの人は、あたしに教えてくれたんだと


父さんや母さんが居なかったし、離婚したからといったら悪いけど

元々、人とは関わらない分類だったあたし


でも、ここに来てから

正剛さんが円堂くん達と会わせてくれてから

あたしのリセット人生は始まったんじゃないかって


人の優しさを教えてくれたんじゃないかって

だから、恩返しがしたかった


転校して三日

大してあたし自身が変われた自信はないけど

きっと、少しは前向きになったんじゃないかな


『!…おまたせ、雅』

『今日のは円堂が悪いんだぞ、さっさと着替えないから』


小さな喧嘩にも、笑みが零れる

今までなら、馬鹿らしくて鼻で笑ってたかも


『な、何がおかしいんだよ雅ー』

『ううん、なんでもないよ』




『そうだ雅、聞きたいことがあるんだけどさ』


歩き始めて、用があるからと風丸くんは帰り

円堂くんと豪炎寺くんと帰っている


もう目の前には雷雷軒

ありがとう、と言おうとしていた頃だ


『雅と豪炎寺って、付き合ってんのか?』


豪炎寺に聞いてもだんまりでさー


『…え?』


豪炎寺くんは黙って前を向いたまま

ちょ、あたしがどうにかすんの?


『え? まだなの?
じゃ、俺が』


円堂くんが言いかけたとき、あたしの目の前は豪炎寺くんで埋まっていて

あれ、なに?






(これで俺のものだ え?ちょっと?? あー残念だなー)



 (c)ひよこ屋

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