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アル少女タチノ物語
私だということ
私は支度を済ませ、子供達の見送りをうけながら孤児院を出た。

空は当然だが雨が降っている。

昨日お姉ちゃんには言わなかったが私は腕に怪我をしていた。

通常夜禍は怪我をすることはない

したとしてもすぐに治癒する能力をもっている

だが昨日は違った。

お姉ちゃんに会う数時間前、私は気分転換をかねて買い物に行った

そして帰りの休憩がてらに公園のベンチに座り歌を歌っていた

それが今思えば悪かったのだろう

いつのまにか私の目の前には剣を携えた初老の男と付き人らしき若い女性がいた

「もしや…」
「おそらく夜の禍いですわ」

そんなことを話した後、男は私に向けて駆けてきた

とっさに危険を感じ剣をよけようとしたが、その動きは戦いなどしたことのない少女には到底よけられるものではなかった。

「きゃあぁ!!」

「ちっ」

間一髪急所はさけたが腕にけして軽くはない傷

「やめて…。なぜこんなことを」

「おまえがおまえだからだ」

そういって剣を構える

私は死を覚悟した

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