”God of Death” ※オリジ 血 それは、例えようの無い程鮮やかな赤だった。 ―血――― "死神"の職は決して良い事ではない。 夜も最初はためらいがあった。 当時の夜はBRを終えたばかりだったからである。 多少、殺しを楽しんでみていても他人を更に 「殺せ」 と言われたら、昔の夜には気が重かった。 しかし、そんな感情はすぐに消えた。 "死神"の職は殺人をしても犯罪にはならないのである。 裏の政府が絡んでいるせいでもある。 時々裏の政府から手紙やメールが来て殺人の依頼が来る事もある。 夜はそれを難なくこなして見せた。 仕事を終えた後に残るのは死体と赤い血。 BRの時にはただ勝つ事しか頭に無かった。 校舎に付いた血は、精神を混乱させた。 だが"死神"の職を通して見る血は驚く程鮮やかで、この世の物とは思えない。 夜の何度目かの依頼。 壁や床に付いた血。 転がった首や身体の一部、それらの断切面から溢れ、流れ出る血。 辺りに漂う独特の鉄が錆びたような臭い。 その景色が夜の心をおかしくさせた。 それ以来、がむしゃらに気に食わない人間を殺し、その痕の眺めを見て楽しんだ。 今は冷静になっているが、血が美しいと思って見ることもしばしばある。 神秘的、魅力的な血が"死神"である夜の心を振るわせる。 これからも。 [*Back][Next#] |