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「大丈夫かい?慶次君。随分とうなされていたみたいだけれど」
……いつもの半兵衛だ。大きい。とはいっても俺よりかなり小さいけど。
高い声もいいけれどやっぱいいつもの声の方が安心できる。
しかもちゃんと昨日のまま、右腕の上に頭をのせて俺にすっぽり覆われている。
半兵衛だ、半兵衛だ、いつもの半兵衛だ!昨日のままだ!
ひどく安心感を感じたと同時に足にひどい痛みを感じた。
「ってぇ!はんべっ!足ッ、つったんだよ俺!」
涙目にならんばかりの勢いで叫ぶと半兵衛はくすくすと笑い出した。
「おはよう、まぬけな慶次君。寝ている間に変な動きでもしたんだよ、きっと」
「まぬけって…ひどい」
「放って置けば治るよ。」
まだ笑いの収まらない口元を白い手で作った握りこぶしで塞いでいる。
そんな半兵衛に慶次は唐突に話す。
「俺、小さい半兵衛に夢であった。けど、やっぱ今の半兵衛のが好き。」
甘えるように囁き、覆い被さるように抱きしめる。
今いる君が大好きで。可愛くて。愛しいんだ。
小さな君も素敵だったけれどね。本当に。
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