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Who is This Child...?1
眩しい。瞼を閉じてるのに視界が白く感じる。
目を開けたら白さはより増し、痛みを感じるほどだった。
朝の日差しが俺の顔を直撃しているらしい。

昨日カーテン閉めなかったっけ。
あ、しめてねーよ。半兵衛と星を見ながら寝たじゃんか。

朝日のせいで予定より早く目覚めてしまった。
枕もとにおいてあった携帯を確認する。きっとまだアラームの起動前なはず。
見たら7時20分。思ったよりは早くは無かった。
でもアラームの動き出す前に起きた事でちょっとした優越感を感じた。

ぼーっとする頭でここまで考えて、ふと右腕に違和感を感じる。

異物が触れているわけではない。

逆だ。

何も無いのだ。



「あれ?」

昨日の夜たしかに右腕に乗せていた、愛しいぬくもり、重み、何も無い。
気づいたら布団から飛び出していた。
いつもは布団でうだうだしている自分が、半兵衛のことになるとこんなにも機敏に動けるものなのか。
まずは部屋から飛び出して直結のリビングを見渡す。
ソファの周りを一周したけどどこにもいない!
玄関に向かい、靴を見渡す。
半兵衛の靴はちゃんとある。裸足で飛び出してでもいないかぎり、家にいるはずなのか。
部屋を片っ端から虱潰しに調べていく。

キッチンも見た。いない。

トイレを一声かけて開ける。いない!

どうしよう!


「半兵衛、どこいったんだ?」

もう泣きそう!

そういえば、半兵衛はいつも携帯をきちんと持ち運んでいる。家の中にいても然りだ。
思い出したが早いか寝室に小走りに急いだ。
携帯は布団の上に放置のままだった。いそいで開き、アドレス帳を見る。

は行…は行…

スクロールの遅さに苛立ちと不安が募る。

「半兵衛…半兵衛…」

早く出て来い。アドレス帳然り、本人然り。

「よんだ…?」
「へ?」

腰掛けていたベットの上に丸まっていた布団がもぞもぞと蠢く。
そして、ぷはっ、という声とともに何かが出てきた!



…………えーっと、誰?
いや、でも分かる。
これは半兵衛だ!

でも半兵衛じゃない。

愛しい容姿、醸し出す雰囲気…。全てに於いて半兵衛なのに……

「半兵衛なの……?」

容姿、雰囲気そのままに縮んでる。いつもの半分ちょっとぐらいしか身長がないのだ。
呼びかけると小さなそれは小さな頭をこくんを頷かせた。どうやら……半兵衛、らしい。

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あきゅろす。
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