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春なんて、



どうしよう、どうしよう、どうしよう!



「最近あったかくなってきたねぇ」
「嗚呼、ほんと…。でも、」


迷惑な話だよ。


「僕が好きなのは冬なんだ。春は…嫌いだ。」
「俺は春が一番好きだな!なんたって出会いの季節だ」
「でも虫が出てくるじゃないか」
「あれ?そんなに虫嫌いだっけ。半兵衛意外と女々し、」
「別にそれだけじゃない!」


なにも虫が理由で春を嫌いに成るほど、僕は虫が嫌いじゃないし春も嫌いじゃない。
蝶が羽ばたく様子は美しいし、桜も綺麗だし、そよ吹く風は春風が一番心地良いと思う。




……けど!








「なぁ、半兵衛、こっちこいよ」
「……嫌だよ」
「酷いなぁ!何もしないって!」
「当たり前だ!」


此処は外!


彼の頭を小突くと、軽く叩いただけなのにポカンと音がした。(よっぽど中が空洞なのだろう)
僕が素直に寄っていくとでも本気で思っていたのかい?
天邪鬼な事ぐらい、君が一番知っているだろう!


「ほんと、慶次くんは莫迦だよね」
「酷ぇ!」



ふいに慶次くんが、あ、と何か思い出したように漏らす。
なんだい、またろくでもないことでも考えているんじゃないだろうね。


「でもさ、この間は寄ってきたじゃん」
「……っ!」
「寒かったんだ、とか何とか、…いでっ!」
「煩いと言っているんだ!」
「えぇ、言ってな、」



























だからいだと言ってるの!
(素直に成る口実がまた減ってしまったんだよ!)


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あきゅろす。
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